【AFP=時事】(更新)エネルギー革命をもたらすと考えられてきたLED(発光ダイオード)照明が広く利用されることが、世界中で過剰な光による「光害」の拡大に拍車をかけているとの研究論文が22日、発表された。光害の増加により、人間と動物の健康に悲惨な結果がもたらされるという。
【写真】LEDを駆使した納骨堂
米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に発表された今回の論文が根拠としている人工衛星観測データは、地球の夜の明るさがますます増しており、屋外の人工照明に照らされた範囲の表面積が2012年~2016年に年2.2%のペースで増加したことを示している。
専門家らは、この事態を問題視している。夜間の光は体内時計を混乱させ、がん、糖尿病、うつ病などの発症リスクを高めることが知られているからだ。
動物に関しては、夜間の光は昆虫を引き寄せたり、渡り鳥やウミガメの方向感覚を失わせたりなどで死に直結する可能性がある。
論文の主執筆者で、ドイツ地球科学研究センター(German Research Center for Geosciences)の物理学者のクリストファー・カイバ(Christopher Kyba)氏は、同じ量の光を供給するために必要な消費電力がはるかに少ない、より効率的な照明のLED光自体だけが問題なのではないと説明する。
そうではなく、人間がますます多くの照明を設置し続けることが問題なのだと、カイバ氏は今回の研究について議論する電話会議で記者らに語り、「以前は明かりがなかった場所に新たな照明を増やすことがある程度、節約分を相殺してしまう」と指摘した。
専門家らが「リバウンド効果」と呼ぶこうした現象は、低燃費の自動車にもみられる。必要な燃料がより少ない車を買うと、車をより頻繁に使うようになったり、より遠くから通勤することにして通勤時間が長くなったりする可能性がある。
今回の研究は、夜間光向けに特別に設計された史上初の放射計「可視赤外撮像機放射計(VIIRS)」の観測データに基づいている。VIIRSは、2011年10月から地球を周回している米海洋大気局(NOAA)の地球観測衛星「スオミNPP(Suomi NPP)」に搭載されている。
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