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「ベーシックインカム」いくらが適正?「月28万円」のスイスでは…高すぎて「働かなくなった国」も

2017/11/25(土) 7:00配信

withnews

 衆議院選挙でも言及する党が現れた「ベーシックインカム」ですが、いまいち、関心は高まっていません。実験的に導入された国もあれば、国民投票で否決されたところも。過去には、支給額が高すぎて人々が働かなくなってしまった例まで……。いったい、いくらが適正なのか? 国内の議論に足りないものとは? 専門家に聞きました。

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「AIからBIへ」スローガンに欠けていたこと

 話を聞いたのは、駒沢大学准教授の井上智洋(ともひろ)さんです。

 井上さんは、まず「ベーシックインカム」が日本では「全然、知られていない」と言います。

 今回の衆院選で、一部、注目されましたが「注目のされ方が悪かった」と指摘します。

 「希望の党の小池百合子代表が『AIからBIへ』というスローガンを訴えていました。しかし、選挙で言及するには、財源についてもう少し煮詰める必要があると感じました」

 井上さんは、小池代表が発言したのにもかかわらず、全国的な広まりを見せなかった原因として「準備不足とリアリティーのなさ」を挙げます。

誰が得して、誰が損する?

 井上さんは「ベーシックインカム」について、財源を抜きに議論はできないと強調します。

 「ベーシックインカムの財源は主に税金です。そして、財源についての問いの立て方が大事になってきます」と指摘します。

 「必要な制度であれば、税金をとってやればいい。でも、税金を取られるのはみんな嫌がります。税金を払う『損』とベーシックインカムによる『得』の差し引きを考える必要があります」

 井上さんの計算では、平均的な所得をもらっている人にとって、その「差し引き」はあまり変わらないそうです。一方、平均より低い所得の人は、得が大きくなります。

 そして、平均より高い所得、つまり、お金持ちは損の方が大きくなります。

 「ベーシックインカムは一つの社会保障制度なので、基本的な考えは、お金持ちから低所得層へ富の再分配です」

 その上で、井上さんは、所得税率の設定や税金徴収の姿勢など、お金持ちでも納得できるような方策を考えていくべきだと訴えます。

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最終更新:2017/11/25(土) 7:00
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