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泣ける「劇的」結婚式 子役が思い出再現、全国で人気 9割超の親が涙

11/29(水) 10:31配信

西日本新聞

 新郎新婦の幼少時から大人になるまでの姿を役者が演じ、思い出を再現する結婚式のサプライズ演出が人気を集めている。名付けて「メモリプレイ」。福岡市の企画会社が発案し、全国40都道府県、計450組で行った。タイムスリップしたような光景に9割以上の親が涙するという。価値観が多様化する中、感謝の伝え方にもさまざまなスタイルが生まれている。

⇒【画像】新郎新婦を演じる6人の役者、練習を行う

 北九州市の結婚式場。式の終盤、舞台に並ぶ新郎新婦の両親の前に、男の子が現れた。幼少時の「新郎」役だ。「ただいま~。いってきます! 何、ママ? わかっとおっちゃん、帰ってから(宿題)するけん」

 当初は目を丸くした新郎の両親だったが、かつて「わが子」と交わした会話だと察し、うなずいたり、涙ぐんだり。次は小学生の「新婦」役が登場。当時、夢中になった「モーニング娘。」を歌って踊る。

 中学時代の「新郎」役は中学1年のとき亡くなった2歳上の兄への思いを、中学時代の「新婦」役は同級生から受けたいじめを語る。「ママが、いじめた子たちに『あんたたち、何かしたら許さんけんね』って。そうしたらね、いじめが終わったんだ。ママは私のスーパーヒーローなんよ!」

 登場した演者は計6人。最後に、本物の新婦が感謝の手紙を読み上げた。場内は涙と笑いに包まれた。

「新婦の手紙が際立つ演出を」

 仕掛け人は企画会社「サプライズモール」の村部大介社長(36)。ウエディングプランナー時代、式場がざわつく中で新婦が手紙を読み始める場面に眉をひそめたのがきっかけだった。「新婦の手紙が際立つ演出をしたかった」

 メモリプレイは2013年から。脚本は新郎新婦からの聞き取りを基に作成。芸能事務所に勤務した経歴を生かし、プロや同社専属の役者の中から新郎新婦に似た雰囲気の人を選ぶ。方言や親に抱きつく時の目線など細かな演技指導も。

 これまで15回演じた佐賀県鳥栖市の田中未彩さん(23)は「新郎新婦さんの大切なストーリーを一語一句漏らさないように伝えようと、毎回緊張します」。

 動画サイトに投稿されると、「泣ける」と反響を呼び、計346万回以上再生された。九州大大学院芸術工学研究院の大島久雄准教授(演劇学)は「役者と、それを見て涙するご両親や新郎新婦が一緒になってステージを作り、招待客を感動の渦に巻き込んでいる」と指摘する。

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最終更新:11/29(水) 15:38
西日本新聞