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日本が「長寿大国」と言えなくなる日。ハーバード大教授に聞く、深刻すぎる理由

12/2(土) 11:00配信

ハフポスト日本版

太っていて不健康な人は、本人が悪い。自己責任だ。本当にそうだろうか。(ハフポスト日本版)

世界最高齢、116歳の女性が教えてくれた長寿の秘訣「独身でいること。そして...」

仕事が不安定で、お金がなければ新鮮な野菜や果物より、手軽なファストフードを食べてしまう。十分な医療も受けられない。

『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』(講談社現代新書)は、日本の経済や社会の停滞とともに生まれた、深刻な『健康格差』について描いた。

著者のNHK取材班と出版した講談社・現代新書編集部の担当者は「この問題を多くの人に伝えたい」とハフポスト日本版などネットメディア7社に伝えてきた。

ハフポストはこの思いにこたえるため、本の最後の6章を飾る、ハーバード大学大学院のイチロー・カワチ教授(“健康格差“の世界的権威)のインタビューを全文公開します。

第6章 拡大する日本人の「命の格差」

 日本は長らく世界で最も平均寿命の長い「長寿国家」だった。しかし、バブル崩壊後は、寿命の延びるペースが頭打ちだ。2016年時点で日本人の平均寿命は、女性が87・14歳、男性が80・98歳と過去最高を更新したが、最近は寿命が延びる速度がだんだん低下し、OECD加盟の先進国に追いつかれつつある。

「長寿国家・ニッポン」に、いま何が起きているのか。

 番組では「健康格差」問題の世界的権威といわれるハーバード大学大学院のイチロー・カワチ教授にインタビューを試みた。日本生まれのカワチ教授は、ニュージーランドで臨床医を経験し、公衆衛生研究の先進地であるアメリカへ渡った。世界屈指のアカデミアとされるハーバード大学では、年間400人超の大学院生が受講する人気授業「社会と健康」を担当。「健康格差」がなぜ生まれるのか、社会経済的な要因を明らかにする「社会疫学」を教えている。

 近年、日本人の間で「命の格差」が急激に広がっており、「長寿国家・ニッポン」は今後他国に次々と追い抜かれていくと予測するカワチ教授に、「健康格差」が忍び寄る日本社会の問題点と解決の糸口を徹底的に聞いた。

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