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東芝とWD、和解なお隔たり 「メモリ」売却の合意可否ヤマ場

12/5(火) 7:15配信

SankeiBiz

 東芝が半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、提携先の米ウエスタン・デジタル(WD)との係争解決に向けた協議がヤマ場を迎えている。両社は早期和解を目指す方向で一致し、今週中にも和解する可能性がある。だが、両社の見解にはなお隔たりがあり、最終的に折り合えるかは予断を許さない。

 東芝の成毛康雄副社長は先週末に訪米し、WD側と和解に向け協議を行った。関係者によると、「交渉は7、8合目まできている」と、着実に進展しているようだが、「まだ複数の項目でギャップがあり、結局結論は出なかった」という。

 WDは近く取締役会を開き、和解に向けた決議を行う予定。東芝の交渉関係者は両社の協議がまとまるかどうかは「WDが突っ張るのか、折れるのかその中身次第だ」と述べ、「この1週間はいろんな可能性がある」との見解を示した。

 東芝とWDは半導体メモリーを生産する東芝メモリの四日市工場(三重県四日市市)を共同運営する。WDは東芝メモリの売却に反対し、5月に国際仲裁裁判所に提訴。一方、東芝は8月に四日市工場で来年夏稼働する第6棟への最初の設備投資を単独で行うこと決め、対立は先鋭化した。

 裁判で売却が差し止めになれば、東芝は売却益で債務超過を解消できずに上場廃止になる懸念があった。WDは訴訟をテコに協業や東芝メモリ経営の諸条件で東芝から譲歩を引き出そうとしていた。だが、東芝が11月19日に約6000億円の増資を決め、裁判の結果によらず上場廃止を回避できる見通しになると、局面は東芝優位に大きく変わり、和解協議が本格化した。

 東芝はWDが四日市工場の第6棟での次期投資への参加する条件として、▽訴訟の取り下げ▽新たな合弁契約の締結▽東芝メモリの買い手との円滑な協業-を求めている。

 WDは投資に参加できなければ、第6棟で今後生産する最新鋭の半導体メモリーを調達できず、経営に深刻な打撃となる。東芝は折り合えなければ、単独投資に踏み切る意向で、WDに決断を迫っている。

 両社の和解が実現すれば、東芝メモリ売却が頓挫するリスクが薄まり、東芝の経営再建は大きく前進する。東芝メモリは米ファンド主導の「日米韓連合」が買収の手続き中だが、係争が終結すれば、官民ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行も資本参加する計画だ。

最終更新:12/5(火) 7:15
SankeiBiz