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驚いた“ジョー・モーガン氏からの手紙” 「彼らはだました」米でも殿堂入り記者投票スタート

12/4(月) 16:56配信

夕刊フジ

 【ダッグアウトの裏側】

 先日、米国で取材していた頃に使っていた個人アドレスにメールが届いた。件名には、こう書かれていた。

 「The Hall of Fame is Special-A Letter from Joe Morgan」(殿堂は特別-ジョー・モーガンからの手紙)

 半信半疑でメールを開いてみると本人からだった。ジョー・モーガン氏(74)はナ・リーグMVPに2度輝いた名二塁手で、1970年代のレッズ黄金期のメンバー。90年に米野球殿堂入りし、現在は殿堂の副会長を務めている。

 手紙は1000字以上の長文で、禁止薬物使用選手の殿堂入りに反対する内容だった。前日には2018年の候補者が発表されたばかり。「ステロイド使用者が殿堂入りする日が来ないことを願う。ほかの殿堂入り選手の多くが思っていることだ」と呼びかけ、最後に署名まで入っていた。

 殿堂入りの条件は、全米野球記者協会に10年以上在籍した記者の投票で得票率75%以上。近年は、いわゆる「ステロイド時代」の候補選手が得票率を伸ばしている。通算762本塁打の米大リーグ記録保持者、バリー・ボンズ氏(元ジャイアンツなど)は昨年、53・8%と候補5年目で初めて50%を超えた。

 「彼らは(ファンらを)だました。殿堂は特別。野球の殿堂入りは米スポーツで最も難しい。基準の緩和を求めるファンもいるだろうが、甘くしてほしくない」

 調べてみると、モーガン氏は投票権を持つ記者全員にメールを送っていた。日本以上に米国の記者には「あまのじゃく」が多い。一方的に禁止薬物使用選手の締め出しを呼びかける手紙を送ってきたことに反発の声も上がっている。投票用紙の返上で抗議の姿勢を示した記者も現れた。

 投票は年内いっぱいで、発表は来年1月24日(日本時間25日)。モーガン氏の手紙が逆効果となり、禁止薬物使用選手の得票率が伸びる気がする。(元全米野球記者協会理事・田代学)

最終更新:12/4(月) 16:56
夕刊フジ