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<新テスト>低い正答率 試行調査の問題公表

12/4(月) 21:31配信

毎日新聞

 大学入試センターは4日、センター試験に代えて2020年度に始める大学入学共通テストに向けて11月に実施した試行調査(プレテスト)の問題を公表した。新たに導入される国語の記述式問題では身近な話題に関する文章や資料を読み取る力が問われた。マークシート式も思考力や判断力を測る新しい形式が採用され、正答率(速報値)は全体的にセンター試験よりも低い傾向が見られた。

 試行調査は先月13~24日、記述式が導入される国語と数学1・A、マーク式のみの数学2・B、地理歴史・公民、理科の計11科目で実施され、全国の高校の4割にあたる約1900校の2、3年生延べ約18万人が参加した。記述式問題は小問3問ずつが出され、生徒は自己採点もした。

 記述式の採点結果の公表は来年3月になるが、マーク式は7割の採点が終わり、小問ごとの正答率が発表された。全科目の正答率の最高は87.1%。過去3年のセンター試験は最高が90%超で、試行調査は全体的に低い傾向にあった。

 センターは知識だけでなく思考力や判断力を問うことを重視。国語で性質の異なる文章を読ませたり、地理や歴史などで複数の資料やグラフから必要な情報を読み取らせたりする問題を多く出した。その結果、小問は過去3年のセンター試験で最多だった313問から25問減り288問になった一方、冊子は307ページから56ページ増え363ページになった。解答に時間がかかったためか、終盤の問題は無解答が目立ったという。

 また、正答の数を示さずに選択肢の中から正答を全て選ばせる問題や、選択肢の中に正答がない場合「0」をマークさせる問題など新たな形式の問題も9科目で16問出された。このうち正答率が30%を超えたのは4問で、10%未満も3問あり、全科目で最低の0.9%だったのは数学1・Aの正答を全て選ばせる問題だった。

 センターの大杉住子審議役は正答率が低い傾向について「問題が難しくなったというより、問題の質が変化した。分析し、作問に反映させたい」としている。【伊澤拓也】

 ◇記述式 細かい正答条件

 国語の記述式問題には、従来のマークシート式では十分に測れない思考力と表現力を測る狙いがある。しかし、正答の条件が細かく設定されており、大学入試改革を議論する文部科学省の専門家会議の委員を務めた南風原(はえばら)朝和・東京大高大接続研究開発センター長は「本来育成すべき表現力の評価には適さないのでは」と指摘する。

 問題では、生徒会規約や学校新聞の記事などを基に話し合う生徒の会話の空欄を埋める文章などを答えさせた。5月に公表された問題例が駐車場の契約書などを題材にしたのと同様、身近で実用的な内容となった。

 3問中2問は50字以内と25字以内の短文で答える形式。3問目は、2文構成で計80~120字とするほか、書き出しの言葉、盛り込む内容など四つの条件を満たすよう求めた。問題と併せて公表された自己採点用紙では、正答と認めるためのさらに細かい条件が示され、正答例に近い表現以外は認められにくい仕組みになっている。

 大学入試センターも、本来問うべき「自分の考えを明確にして記述を工夫する力」は自由記述式でなければ測れないとの見解だが、採点の手間や経費が増大することから導入は難しいとしている。【伊澤拓也】

最終更新:12/4(月) 23:14
毎日新聞