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<松橋事件>検察、特別抗告 判例違反を主張

12/4(月) 21:41配信

毎日新聞

 熊本県宇城(うき)市(旧松橋<まつばせ>町)で1985年に男性(当時59歳)が刺殺された「松橋事件」で、福岡高検は4日、懲役13年が確定して服役した宮田浩喜(こうき)さん(84)の再審開始を認めた福岡高裁決定(11月29日)を不服として最高裁に特別抗告した。福岡高検は判例違反を主張しており、再審開始の可否は最高裁で審理される。

 福岡高裁決定は、宮田さんが凶器に巻き付けて犯行後に燃やしたとした布切れが判決確定後の証拠閲覧で見つかったことや、小刀の形状と被害者の一部の傷が一致しないとした鑑定書を新証拠と認めたうえで「捜査段階の自白の信用性が大きく揺らぎ、犯人ではないという合理的疑いが生じた」と再審開始を認めた。

 福岡高検は、高裁決定が布切れや凶器に関する鑑定書を新証拠と認めたことについて、刑事訴訟法が再審開始の要件とする「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した」とは言えず、再審開始を認めたのは判例に違反すると判断した。特別抗告ができるのは高裁決定が憲法や判例に違反する場合に限られる。

 宮田さんの再審請求を巡っては、熊本地裁も昨年6月に再審開始を認めたが、熊本地検が福岡高裁に即時抗告していた。弁護団は改めて再審開始を認めた高裁決定後、宮田さんが高齢で早期救済が必要などとして特別抗告しないよう最高検などに申し入れていた。

 宮田さんは捜査段階で自白していたが、1審・熊本地裁の公判中に否認に転じて無罪を主張した。1審判決(86年12月)で懲役13年とされ、90年に最高裁で判決が確定して服役した。出所後も無実を訴え続け、認知症の症状が出たため成年後見人の弁護士が2012年、熊本地裁に再審請求していた。【平川昌範】

最終更新:12/4(月) 21:53
毎日新聞