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大麻使用スノボ選手の処分解除決定も平昌五輪は厳しく…来年度以降の強化指定復帰に道

12/4(月) 20:35配信

スポニチアネックス

 全日本スキー連盟(SAJ)は4日、都内で理事会を行い、米国遠征中に大麻を使用したとして昨年4月に競技者登録の無期限停止などの処分を受けたスノーボード男子選手の処分解除を決めた。

 同選手はSAJによる更生プログラムも途中離脱していたが、9月下旬の理事会で謝罪して再開。第三者委員会による複数回のヒアリングや社会貢献活動など、通算8カ月のプログラムを完了した。

 今後は第2段階に移り、1年間は選手活動を再開しながら活動日誌をつけ、継続的にヒアリングなどを受ける。SAJの競技者登録がなくとも出場可能なXゲームなどのプロツアー以外に、国際スキー連盟(FIS)主催競技や全日本選手権などに参加できるようになる。

 ただし、本人が希望しているとされた平昌五輪出場は現実的には難しい。五輪に出るためには、競技者登録だけでなく、SAJの強化指定選手としてW杯で派遣基準を突破する必要がある。強化指定を受ける第一歩は、ケガなどの特別な理由を除いて前年度の全日本選手権に出場すること。この選手は全日本に出場しておらず、要件を満たしていない。

 皆川賢太郎強化本部長は「特例を作るしかない話だが、私はルールに従ってやるしかないと思う」と平昌五輪出場は厳しいとの見通しを示した。強化本部長就任前から何度も話し合いを重ねており、「言動も含めて彼自身が変わった」という手応えを得るとともに、「五輪に出すために更生プログラムをやっているわけではない」と伝えているという。

 「五輪は我々だけで派遣できるものではない。僕らとしてはルールを曲げずにいかないといけない」と説明したように、五輪代表になるにはSAJが日本オリンピック委員会(JOC)に推薦して承認を得る必要がある。国際大会で上位の実績を残している選手とはいえ、メダル欲しさに拙速に特例を設ければ、世論だけでなく、JOCの理解も得られない可能性は高かっただろう。

 この時期に競技者登録再開を認めた理由については、今年度の全日本選手権に出場し、来年度以降の強化指定復帰の道を開くためだという。「人間いろんなミスは必ずする。何かあったら更生させて、もう一度同じスタートラインに立てるように測ることも大事。若い選手を1人の競技者として更生させて一流の選手にさせる義務も我々は負っている」と語った皆川氏。選手の将来の芽を摘むことなく、更生と復活を後押しするための判断となった。