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フレキシブル有機EL基板の静かな攻防

12/4(月) 21:20配信

投信1

投信1編集部による本記事の注目点

 ・ 米アップルがiPhone Xで有機ELディスプレーを採用したことが牽引役となり、スマホディスプレーの有機EL化が急ピッチで進みそうです。
 ・ 有機ELは液晶ディスプレーとの差別化に加え、薄型化、軽量化、異形化といった形状の自由度が売りになる点からも、「有機ELディスプレーを作るならフレキシブル」という考えがスタンダードとなっています。
 ・ 有機ELディスプレーの製造では、日本は韓国企業や中国企業に後れをとっているものの、各素材・材料においては日本製品なくしては成り立たないという状況です。
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調査会社の富士キメラ総研が2016年5月に発表したレポートによると、高耐熱フレキシブル基板の市場規模は、有機ELディスプレー用途で需要が拡大し、15年比17倍の51億円になるという。フレキシブルデバイスに使用される、耐熱性を持つガラス基板とフィルム基板を対象に調査した結果、ガラスは同12倍の12億円、フィルムは同19.5倍の39億円になるとの予測だ。

15年時点では、ガラス基板は一部の有機EL照明用途での実用化があり、フィルム基板は大半がポリイミド(PI)フィルム、一部ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが使用されていた。PIはスマートフォン(スマホ)向けの有機ELディスプレー用途が大半で、PENは有機薄膜太陽電池や電子ペーパー用途の実績が出始めているといった状況だった。

その後、周知のとおり米アップルが先般発売したiPhone Xで有機ELディスプレーを採用したことが牽引役となり、スマホのディスプレーは有機EL化が急ピッチで進められていくロードマップだ。

調査会社の英IHS Markitが17年3月に発表したレポートによれば、フレキシブル基板の有機ELディスプレーの需要は、17年第3四半期の出荷額が32億ドル規模になり、リジッドタイプの出荷額30億ドルを上回るという。また、ハイエンドスマホに使用されるフレキシブル有機ELは、16年比150%増の勢いで伸長するという。

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最終更新:12/4(月) 21:20
投信1