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流木食い止める「土砂透過ダム」拡充 国が整備へ 17万トン発生、九州豪雨を教訓に

12/4(月) 9:54配信

西日本新聞

 九州豪雨で大量の流木が家屋の被害を拡大させたことを受け、国は流木を食い止める効果の高い「透過型」の砂防ダムと治山ダム整備を進めている。透過型ダムは中央部に鉄の枠をくし状に設けるなどして隙間を空け、平常時の堆積物を減らして流木や土砂を受け止める。九州豪雨では流木発生量が約17万トン(国土交通省推計)に上っており、国は新設に加え既設ダムも透過型に改良し、流木を山間部で止める方針だ。

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 土石流防止のため国交省が渓流に設置した砂防ダムは全国に約6万2千基(2013年)。山崩れ防止の治山ダムは、砂防ダムより上流域の山腹に林野庁が約44万基整備している。既存ダムは中央部がコンクリートのため日常的に土砂や流木が堆積し、大雨の際にダムを越えることがあった。透過型は、平常時は中央部から土砂を流して堆積を防止。豪雨時は土砂と流木が塊のように流れてくるため隙間が埋まり、流出を止める効果が高いという。

 国交省は昨年4月に砂防基本計画の指針を改め、砂防ダム新設時は原則として透過型にしたり、ダム直下に流木止めの構造物を設置したりするようにした。九州豪雨後は既設も透過型に改良することを自治体に通知。来年度予算の概算要求で土砂災害対策に959億円を組み、一部を透過型ダム建設に充てる。林野庁も透過型の治山ダムを新設し、既設も透過型に改良。来年度は漁場保全用の山林整備の交付金で新たに透過型を建設できるようにする。

 砂防学会会長を務める北海道大の丸谷知己特任教授は「透過型ダムは杉の造林地が多い九州で特に適している。砂防と治山ダムはそれぞれ役割があり、国交省と林野庁が連携して設置のあり方を協議すれば一層効果を発揮できる」と指摘する。
=2017/12/04付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:12/4(月) 9:54
西日本新聞