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タイ人選手のJリーグ加入は今後も続くか。チャナティップ効果で高まるタイ人選手の注目度

2017/12/4(月) 18:00配信

VICTORY

タイ代表のチャナティップ・ソングラシンが今年6月から北海道コンサドーレ札幌に1年半の期限付き移籍で加わった。すっかりスタメンに定着し、チームのJ1残留にも貢献。さらなる活躍に期待が高まっている。タイで抜群の人気を誇る彼の日本でのプレーは、どのようにタイで伝えられ、タイ人にどんな反応が起きているのか、その一部始終を追った。(文=長沢正博)

タイで飛躍的に増加したJリーグの情報量

印象的なシーンがある。10月30日、月曜日の午前8時過ぎ、タイの大手民放チャンネル3の人気ニュース番組「ルワンラオチャオニー」は、プラユット・チャンオチャ暫定政権首相のテレビ演説に切り替わった。

プラユット首相は国民に向けて、昨年亡くなったプミポン前国王の葬儀が29日までに終わったことを話し、関係者やボランティアに感謝の意を表した。そして番組が再開されると、話題はスポーツへ。イングランド・プレミアリーグなどのヨーロッパのサッカー、F1、テニス、ゴルフに続いて取り上げられたのが、なんと29日に行われたJリーグ第31節の札幌対鹿島アントラーズの試合だった。

番組はこの試合の全ゴールシーンを流し、スポーツキャスターはチャナティップが90分プレーしたこと、敗れたものの札幌はあと1試合勝利すれば残留が確定することにも触れた。その日、Jリーグに関してはこの試合だけが紹介された。もっとも毎試合というわけではなく、清水エスパルスに勝利して肝心の残留を決めても取り上げないなど、番組構成上の都合があることが伺える。それでもJリーグの試合のハイライトが、タイの人気番組で流れたこと自体、チャナティップ移籍の効果の一つと言えるだろう。

現に札幌を軸にして、Jリーグに関する情報量はタイで飛躍的に増加した。タイの大手スポーツメディア・サイアムスポーツは札幌に記者を常駐させ、チャナティップの動向や監督、選手の関連のコメントなどを連日タイに伝えている。それらの情報は時に他媒体にも“流用”され、インターネットを中心にチャナティップの話題がいくつもの媒体に広がっていく。試合ともなれば相手チームの情報もメディアに載る。そして試合後にはチャナティップのプレー動画がSNSで瞬く間にシェアされていく。

また、チャナティップが折々にアップするインスタグラムのフォロワーは190万を越える。さらに交際中の女優メイことピッチャナート・サーカーゴーンのフォロワーに至ってはチャナティップを上回る300万となっている。札幌を訪れたメイがその模様をアップすれば、もはやサッカーファンに留まらない波及力を持つ。MayJay Channelなるフェイスブックページ、ユーチューブチャンネルも開設され、札幌などでの二人のよりラフな様子が動画などで紹介されている。二人がメディアそのものになって、情報を拡散してくれているのだ。

チャナティップの移籍に合わせるように、タイでは大手有料放送トゥルービジョンによるJリーグの中継が5月からスタートしている。J1は毎週3試合、J2は1試合という構成だが、トゥルービジョンではインターネットでも視聴できる無料放送チャンネルのトゥルー4Uで、積極的に札幌の試合を放送している。このトゥルー4Uで常時放送されているサッカーの試合は、タイリーグを除けばJリーグ、しかもほとんどが札幌の試合。それだけ破格な扱いとなっている。

2019年までのJ1、J2の海外放映権はフランス系のラガルデールスポーツアジアが保有している。ただ実際は、全試合を衛星にあげるとコストが膨らむため、各節4試合か5試合に抑えているケースが多いという。そのためトゥルービジョンとしては、まず札幌の試合をその中に選んでもらわなければならない。トゥルービジョンはラガルデールに札幌の試合を衛星にのせるようリクエストはしているという。コンテンツとしての魅力は認められつつある。

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最終更新:2017/12/4(月) 19:07
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