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常陽、再稼働時期見直しも 原子力機構 補正申請、来年度半ば

12/5(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

高速実験炉「常陽」(大洗町)の再稼働審査で日本原子力研究開発機構(原子力機構)が申請内容の見直しを求められている問題で、原子力規制委員会からの指摘を盛り込んで補正した申請書の提出が、来年度の半ばごろまでずれ込む見通しになったことが4日、分かった。原子力機構は出力を制限するため炉心の構成を変更する計画で、2021年度を目標としていた再稼働の時期も見直しを迫られる可能性がある。

政府は昨年、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉を決定。今後はもんじゅの前段階に当たる常陽を活用しながら核燃料サイクル政策を維持する考えだが、常陽自体の再稼働の見通しが立たず、高速炉開発の先行きは不透明な状態が長引きそうだ。

原子力機構は1日の規制庁との面談で今後の対応を説明した。新たな計画では炉心の構成を見直し、原子炉に装填(そうてん)する燃料集合体の数を減らすことで、規制委から指摘されていた許可上の熱出力と設計上の熱出力の違いを修正する。補正申請書は18年度中ごろに提出する。

原子力機構は3月、熱出力が14万キロワットの常陽を今後は10万キロワットで運転すると審査を申請。10万キロワット以下なら避難計画を策定する範囲が5キロ圏で済むが、14万キロワットでは30キロ圏に広がり地元対応に時間がかかるため、4月の初会合で原子力機構は「早期再稼働を優先する」として、設備はそのままに運用で10万キロワットに抑えて運転すると説明していた。

しかし、規制委はこれを認めず、原子力機構の安全に対する姿勢を問題視。補正申請するまで審査を保留する異例の決定をしていた。6月には常陽が立地する原子力機構大洗研究開発センター内の別の建屋で、作業員が内部被ばくする事故も起きた。

当初、原子力機構は約54億円かけて安全対策工事を行い、21年度までに常陽を再稼働させる計画だった。審査の空白期間が約1年半も生じることが確実になったことで、再稼働の時期も大幅に遅れる可能性が高い。原子力機構の担当者は「補正申請に必要な新たな安全評価に相当な時間を要する。再稼働の時期に言及できる状況ではない」と話した。(戸島大樹)

茨城新聞社