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「感動」から「貫道」へ 宮里優作が貫き通した真摯な姿勢

2017/12/5(火) 16:00配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

◇国内男子メジャー◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(3日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

【画像】ウィニングパットを沈めた直後、涙

国内男子2017年シーズンは宮里優作選手の最終戦優勝、そして賞金王獲得という形で幕を閉じました。

宮里選手の「日本シリーズ」優勝と聞くと、いまも4年前の初優勝シーンが頭を鮮明に過ぎります。

あのとき彼はまだ勝利というものを知らず、優勝目前でアタフタしている姿がありました。ティショットを左に曲げ、2打目のアプローチでグリーンオーバー…、観ている側が冷や冷やしてしまう展開でした。

ですが、今年の日本シリーズ最終日に見せた姿は、そのときの印象を微塵も感じさせない堂々としたものでした。

特に前半はショットのキレ味がすばらしく「神がかっていた」と言わざるを得ないほどのプレー。バックナインに入っても危なげなく、プレッシャーとリラックスの間で、ほど良く集中した状態をキープしているように見受けられました。

宮里選手といえばジュニア時代から多くのタイトルを獲得し、東北福祉大時代はツアーで何度も優勝争いに加わるなど、鳴りもの入りでプロデビューを果たした選手です。ただ、初優勝はプロデビューから11年目、2013年最終戦。それも16度目の最終日最終組での戴冠、15度もチャンスを逃していたのです。

彼はそんな苦しいときでも持ち前の明るさと優しさで周りを包み、いつも変わることなくファンや家族、サポートメンバーを大事にする姿勢を忘れませんでした。ゴルフに対しても、デビュー以降変わることなく真摯に向き合っていました。

初優勝を果たした後、ツアーを引っ張る存在となっていった宮里選手ですが、ファンやメディアへの対応は以前と変わりません。特に選手会長となって、同僚選手に対しての気遣いはそれまでにも増して温かいものに変わりました。

自身のプレースタイルも、声援をプレッシャーではなく力に変え、結果に結びつけられるようになっていきました。今年、彼が優勝した大会はすべて縁のある地というのもそれを証明している事実と言えます。

「中日クラウンズ」は現在住む名古屋、「日本プロゴルフ選手権」は地元沖縄、「ホンマ・ツアーワールド・カップ」は再び名古屋。そして最終戦の日本シリーズは、あの感動を味わった地での優勝です。声援の量が多いと目される地で、しっかり結果を残してきました。

今回の日本シリーズでは、4年前の18番チップインでもらったのと同じ「感動」はなかったかもしれませんが、16年以上前、プロ入りする前に誰もが思い描いた“本当”の宮里優作選手の姿がそこにはありました。(解説・佐藤信人)