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産業医、保健師と連携 ストレス検査義務化2年 静岡

12/5(火) 7:51配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 企業に従業員のストレスチェック実施を義務付けた改正労働安全衛生法施行から2年が経過した。働く人の心の問題に関心が高まり、精神障害を理由に通院・入院する人も増加傾向にある。顕在化する従業員の心の問題にどう向き合うか。8、9両日には、日本産業ストレス学会が静岡市内で学会を開く。

 ストレスチェック制度は、事業者に年1回の実施が義務付けられた従業員のストレスの程度を数値化する検査(従業員50人未満は努力義務)。従業員の心の病を早期に把握し労働環境の改善を図る狙いで、集団分析も行う。

 メンタルヘルス対策を重視する企業は、制度を職場改善に生かしている。旭化成富士支社(富士市)はストレスチェックの集団分析結果を踏まえ、社員自身が6カ月計画で職場改善策を模索する取り組みを始めた。

 産業医が介入しながらワークシートを活用して社員たちが職場改善策を探る手法で、これまでに2部署が参加。業務内容の共有で限られた社員に仕事が偏らないような仕組み化など、現場の実情に合わせたメンタルヘルス対策が進んでいる。

 また同支社では、2014年から産業医と保健師による社員面談も強化。職務の軽減が必要と判断された場合は産業医が直接、職場の管理職に伝えている。産業医の尾土井悠氏は「不調を抱える人と職場をつなぐ存在として、産業医や保健師の役割は増している」と話す。

 一方、ストレスチェック制度では仕事に高いストレスを抱えていると判断された場合でも医師の面談指導は本人の希望次第で、同意がなければ企業側に知らされない。

 浜松医大の巽あさみ教授(公衆衛生看護学)は「生産性の向上が求められ、中小企業の多くはメンタルヘルスにまで対応が及ばないのも現実。せっかく検査を実施しても、高ストレス者が放置されるのは問題」と指摘。ストレスチェックを企業の健康経営に生かすツールとして活用するため「産業医や保健師と連携して職場改善につなげることが重要だ」と話す。

     ◇ 

 日本産業ストレス学会は8、9の両日、本年度学会を静岡市駿河区のグランシップで開く。「ストレス社会における産業保健・産業看護 1次予防へのパラダイムシフト」と題し、有識者がシンポジウムや勉強会を開く。一般聴講も可能。



 ■「精神障害」大幅増

 仕事を原因とした精神障害で労災認定を受ける人の数は全国的に、増加傾向にある。静岡労働局によると16年度の県内申請件数は39件で前年比15件増。また、制度スタートを背景に、精神障害を理由に入院や通院する人の数も増えている。県内では17年3月末現在4万8231人で、16年3月末に比べて約2千人多くなった。

静岡新聞社