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【オーストラリア】〔オセアニアン事件簿〕やはり?労働党議員が中国政府の標的に

2017/12/5(火) 11:30配信

NNA

 オーストラリアの最大野党労働党の役職を辞任したサム・ダスティヤリ上院議員は、オーストラリアでの中国の利益を高めるため、中国政府の標的になっていた――。オーストラリア政府の情報分析機関である国家評価室(Office of National Assessments、ONA)の元トップのロス・バベッジ氏が指摘している。4日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
 ダスティヤリ上院議員は先週、中国政府とつながりがあるとされる不動産デベロッパー、玉湖集団の黄向墨会長に携帯電話がオーストラリア政府や米国政府などから盗聴されている可能性があるとして盗聴を避ける対策を助言していたほか、昨年6月に中国メディアに対して南シナ海での領有権の拡大を狙う同国を擁護する発言を行っていると報じられ、党の役職を追われた。
 バベッジ氏は、ダスティヤリ上院議員が中国政府によって同国のオーストラリアでの影響力を強めるための「エージェント(協力者)」としてスカウトされた可能性を示す証拠があると主張している。ただし、これは同上院議員が中国政府のスパイとして活動していたということを意味するものではないという。
 一方、4日付シドニー・モーニング・ヘラルドは、オーストラリア安全情報機関(ASIO)が玉湖集団の黄向墨会長と中国政府との関係について警鐘を鳴らしてから数カ月後の昨年3月に、労働党のビル・ショーテン党首が同会長の自宅を訪問し、同年7月に実施される可能性が高かった総選挙の選挙資金として政治献金を求めていたと報じており、ダスティヤリ上院議員の問題が今後、同党首に飛び火する可能性も浮上している。
 ASIOによれば、2015年に労働党が黄会長から受け取った政治献金は14万1,000豪ドル(約1,208万円)。これに対して自由党は12万2,960豪ドル、国民党は1万5,000豪ドルをそれぞれ同会長から受け取っている。

最終更新:2017/12/5(火) 11:30
NNA