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広島やDeNAにも浸透 他球団との「なれ合い禁止」進むワケ

12/5(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「チームとしては一線を引く必要がある」

 そう話したのは、ヤクルトの小川新監督。さる2日、地元・千葉県の講演会での一言だ。ヤクルトは今季、リーグ最下位に低迷。原因のひとつが「ファミリー球団」という甘い体質にあるといわれてきたが、4年ぶりに現場復帰した小川監督はここにきて、他球団とのなれ合い禁止を宣言。「昔は他球団の選手と口を利くなと言われたが、最近の選手は12球団で横のつながりが強い」と球界の環境変化にも言及した。

「横のつながり」はWBCやオフの合同自主トレなどの交流がきっかけとなる。シーズン中もセ・パ交流戦で異なるリーグ選手との接触機会も増え、携帯電話やSNSの普及で、その輪はさらに広がりを見せている。試合前の練習で、出身校の先輩、後輩や親交のある者同士がグラウンドで長時間話し込んだり、試合中に走者と相手チームの一塁手が笑顔でちょっかいをかけ合うのは、もはや見慣れた光景だ。他球団の選手やスタッフ同士で食事をした楽しげな様子がSNSにアップされることもある。

 なれ合いの積み重ねは、試合に影響を及ぼしかねない。あるセの投手は「普段から仲良くしていると、正直厳しいところを攻めづらくなる」と話し、別の選手も「酒席で盛り上がり、ポロッと相手の弱点やクセをしゃべってしまうこともある」と言う。こういった感情は真剣勝負の緊張感を欠く。八百長とは言わないまでも、「ぶつけてもいいから抑えてやる」という投手の本能は表に出てこない。

 最近、激しい乱闘がめっきり減ったのも、球団の垣根を越えた友達付き合いが原因。暴力を肯定するわけではないが、昨季、乱闘が起きたのは、「あわや」というものを除けば2試合だけだった。

 今季、チームを連覇に導いた広島の緒方監督は、自軍の選手にも情が絡まぬように、常に単独で行動している。その広島をCSで倒して下克上を果たしたDeNAの選手は、「向こうの選手としゃべっているとコーチらに怒られるし、相手にも迷惑をかける」との理由から、練習後に監督がベンチ裏に下がってから駆け足で挨拶に行くという。

 勝負の世界になれ合いは邪魔だ。