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<野球>ナックル姫、再スタート…選手兼ディレクターに

12/5(火) 11:03配信

毎日新聞

 ◇栃木・女子チーム

 男子選手と一緒にプレーする国内初の女子プロ野球選手で、揺れながら落ちる魔球・ナックルボールを操り「ナックル姫」の愛称で知られる吉田えりさん(25)が、女子野球普及の担い手として再スタートを切った。先月、栃木県内に誕生した女子硬式野球チームの選手兼チームディレクターに就任。編成担当として女子選手の受け皿作りを目指す。

 「女子野球部のチームディレクターに就任した吉田えりです」。今月1日、紺色のスーツに身を包んだ吉田さんが宇都宮市内の事業所で初々しく名刺交換をしていた。人材派遣会社「エイジェック」(東京)が栃木県小山市を拠点に創設した新チームのスポンサーを集めるためだ。

 吉田さんは高校2年生だった2008年11月、関西独立リーグ(当時)のトライアウト(入団テスト)に合格。翌09年に17歳でプロデビューした。男子選手にも通用するナックルを追求し、米国の独立リーグでも経験を積んだ。日米6球団を渡り歩きNPB(日本野球機構)の球団入りを目指した。

 だが、持ち味のナックルの制球に苦しみ成績は伸びなかった。今季は肋骨(ろっこつ)骨折で十分に投げられず、所属していた栃木ゴールデンブレーブス(GB)をオフに退団した。

 現役を続けられるか悩んでいた時、栃木GBの運営母体でもあるエイジェックの古後昌彦社長から、同社が結成する新チームのチームディレクターとして誘われた。「これが今の私にできることだ」と女子野球の普及に力を注ぐことを決心した。女子プロ野球選手のパイオニアとして「やってきて良かったなと思えたことを伝え、人間としても成長できる場所にしたい」と話す。ナックルの研究も続け、レベルアップを図る。指導者経験が理想のナックルの完成につながると信じている。

 新チームは関東女子硬式野球リーグ「ヴィーナスリーグ」参戦を目指し、9、10の両日にトライアウトを小山市の小山ベースボールビレッジで行う。社会人を中心に募集するが、中学生以上であれば受け付ける。参加希望者は6日までに同社ホームページから申し込む。【萩原桂菜】

最終更新:12/5(火) 11:23
毎日新聞