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青森・西目屋村がバイオマス産業都市に 木質熱供給システムなど評価

12/5(火) 7:55配信

産経新聞

 官民が連携して豊富な森林を活用した木質バイオマス構想を打ち出している西目屋村の取り組みが農林水産省の今年度のバイオマス産業都市に選定された。公共温浴施設への薪(まき)ボイラーの導入や住宅団地への木質熱供給システムなどが評価されたもので、村では中山間地域の木質バイオマス活用のモデルケースにしたい考えだ。(福田徳行)

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 バイオマス産業都市に選定されたのは、東北では同村のほか宮城県色麻町と山形県飯豊町の家畜の糞(ふん)尿などを使ったバイオガス発電の3件。

 同村は世界自然遺産「白神山地」に隣接し、森林面積が9割という環境を生かした地域活性化を検討する中で、平成26年度から間伐材を村内のエネルギーに再利用する木質バイオマス利活用システム計画を策定、具体的な事業に着手した。

 特徴は伐採から収集・運搬、製造・利用までを村民主体で行う点。農家や作業員がアルバイトで閑散期など空いた時間に薪割りに従事することで「機械ではなく人に還元することで村内でお金が循環し、雇用対策にもつながる」(村産業課の竹内賢一郎副参事)。雇用をアルバイト形式で行うことによって、就労状況に合わせ、多くの雇用を確保する狙いがある。

 今年度から薪の製造・供給を担う西目屋薪エネルギー会社を官民連携で設立し、村の公共温浴施設「グリーンパークもりのいずみ」で薪ボイラーの利用を開始。さらに、人口減少対策として整備している土地購入代ゼロの分譲住宅団地(36棟)「子育て定住エコタウン」に31年度から薪を利用した融雪システムを構築する予定だ。竹内副参事は「雪の多い地域で移住者の住環境を整えたい」と話す。村によると、薪を使った融雪で燃料費のうち年間300万円以上が木材の購入費や薪を作る人件費として村に還元されるという。

 さらに、今後は村内のもう一つの温浴施設「白神館」に薪ボイラーを整備するほか、森林を活用した体験型観光や環境教育にも力を入れる方針。

 山林の荒廃が問題となる中、国は来年度の税制改正大綱に、地球温暖化対策として市町村の森林整備財源に充てる「森林環境税」の創設を目指している。豊富な森林環境を生かし「100年の森構想」を掲げている同村だが、竹内副参事は「民有林も含めた計画的な伐採や間伐に従事する人材確保などが今後の検討課題」と話し、村民の理解促進に努めることにしている。

 関和典村長は「世界自然遺産というネームバリューと木質バイオマスというエコエネルギーを融合させ、雇用創出とエネルギーの自給率を高め『モノ』と『カネ』の地域内循環で村の活性化を目指したい」と話している。

最終更新:12/5(火) 7:55
産経新聞