ここから本文です

粘り強く金融緩和推進、最近の物価「なお弱め」=黒田日銀総裁

12/5(火) 15:07配信

ロイター

[東京 5日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は5日の参院財政金融委員会で、日銀が掲げている2%の物価安定目標の実現には「なお距離がある」とし、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策の枠組みのもとで「強力な金融緩和を粘り強く進めていく」と語った。藤巻健史委員(維新)への答弁。

総裁は最近の物価動向について「なお弱めの動きを続けている」とし、背景としてデフレマインドの転換に時間がかかっており、「労働需給の着実な引き締まりや、高水準の企業収益に比べ、企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重なものにとどまっていることが影響しているのではないか」との見方を示した。

円安は輸入物価の上昇を通じて直接的な物価の押し上げ要因になるが、日本経済に与える影響は経済主体によって異なるとし、「物価への影響も時々の状況によって異なる」と語った。

将来的な緩和政策からの出口局面で懸念される日銀財務への影響について、現行の緩和策は「財務の健全性にも配慮している」と述べるとともに、中央銀行には通貨発行益を得られることなどから、出口局面において「通貨の信認が毀損(きそん)されることはない」との認識を示した。

また、大規模な国債買い入れを継続する中で、国債市場の機能度が低下しているとの調査結果もあるとしながら、「市場の流動性の改善を示している指標もある」とし、「現時点で市場が大きくゆがんでいるとは認識していない」と語った。

日銀の超低金利政策が財政規律を緩めているとの指摘に関しては「財政運営については、政府・国会の責任で行われるもの」と述べるにとどめた。

(伊藤純夫)

最終更新:12/5(火) 15:07
ロイター