ここから本文です

離脱条件、合意持ち越し 英EUトップ会談で打開できず

12/5(火) 7:55配信

産経新聞

 【グダニスク(ポーランド北部)=宮下日出男】英国の欧州連合(EU)離脱交渉で、メイ英首相とEUのユンケル欧州委員長は4日、ブリュッセルで会談した。双方は将来関係に関する協議への年内移行決定を目指しており、トップ同士でその前提となる離脱条件に関する協議の打開を図ったが、ロイター通信などによると、合意には到達できなかった。

 交渉では離脱条件で「十分な進展」があるとEU側が判断すれば、自由貿易協定などの将来協議に移る手順になっている。移行決定は当初目標の10月から持ち越されたが、EUは14~15日の首脳会議で再判断する予定。このため英側には離脱条件の新提案を4日までに示すよう要請していた。

 交渉期限は2019年3月。移行決定がさらにずれ込む事態となれば、何の合意もなく英国が離脱する事態への不安が経済界などに広がる恐れがある。

 離脱条件の主な論点は(1)在英EU市民の権利保護(2)英側の未払い分担金清算(3)英アイルランド国境問題。最大の争点だった分担金では、EUが求める支払い義務に英側がほぼ応じる形で解決し、総額は500億ユーロ(約6兆7千億円)前後相当と伝えられる。

 焦点となったのは、英アイルランド国境問題。双方はEU加盟国のアイルランドと英国の北アイルランド間の自由往来を英離脱後も損なわない方針だが、アイルランドやEUは国境に関税や検問を設けない現状を維持する「具体的な解決策」の明示を求めていた。

 市民権保護では最終的に批准が必要な欧州議会に異論も出たが、ユンケル氏がメイ氏との会談に先立ち調整。協議は交渉担当者間が中心だったが、ここにきてトゥスクEU大統領が英国やアイルランドの両首脳と会談し、“政治決着”を図る機運は高まっていた。

最終更新:12/5(火) 7:55
産経新聞