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<生産性革命原案>賃上げ・投資促す 法人税20%台前半に

12/5(火) 21:19配信

毎日新聞

 政府は5日、新しい経済政策パッケージの柱の一つ「生産性革命」の原案を自民党に提示した。賃上げや設備投資に積極的な企業の法人税の負担を「国際競争において十分に戦える程度まで軽減する」と明記し、企業に賃上げ・投資を促す方針を示した。政府は2018年度税制改正で税優遇の制度を拡充し、実質的な税負担を20%台前半に引き下げる方針だ。

 20年までを「集中投資期間」と位置づけ、税制や予算、規制改革を通じて賃上げや技術革新を促す内容。20年度までに国内設備投資を16年度比で10%増加するほか、18年度以降3%以上の賃上げを目指す数値目標を示した。

 賃上げや設備投資に取り組む企業の法人税負担を引き下げ、革新的な技術を導入する企業はさらに「世界で打ち勝つことができる程度」まで軽減する。

 政府・与党は18年度税制大綱で、賃上げ総額の一部を法人税額から差し引く「所得拡大促進税制」を拡充し、3%以上の賃上げをした企業には減税額を上乗せする方針。また、あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT」などの技術を導入する企業に対し、費用の一部を法人税から税額控除する仕組みを検討している。

 日本の法人実効税率は18年度に29.74%となるが、これらの優遇措置を組み合わせた場合、企業の実質的な税負担は20%台前半となる見込みだ。

 一方、賃上げや投資に消極的な企業には「果断な経営判断を促す税制措置を講ずる」とし、一部税制優遇の対象から外すことを示唆した。16年度の企業利益は過去最高となったが、設備投資や賃上げの動きが鈍いため、税制措置に明確な格差を付けることで積極的な投資や賃上げを促す狙いだ。

 また、革新的な技術やサービスを試験的に実施するため、関連規制を政府が一時的に停止する「サンドボックス制度」を創設する法案を次期通常国会に提出する方針も示した。国が主導して規制緩和の分野やルールを決める従来の「国家戦略特区」制度に比べ、自由度の高い実証試験が可能となる。【片平知宏、中島和哉】

 ◇生産性革命の原案のポイント

・2018~20年を「集中投資期間」として税制、予算、規制改革などの施策を総動員

・20年度までに国内設備投資を16年度比で10%増加、18年度以降3%以上の賃上げを目指す

・賃上げや設備投資に積極的な企業の法人税負担を軽減

・革新的な技術を導入する企業の法人税負担をさらに軽減

・規制を一時的に停止する「サンドボックス制度」を創設

最終更新:12/5(火) 21:19
毎日新聞