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(朝鮮日報日本語版) 釣り船転覆:給油船船長「釣り船が避けると思った」

12/5(火) 9:20配信

朝鮮日報日本語版

 今月3日、仁川市の霊興島沖で釣り船「ソンチャン1号」(9.77トン)に衝突した給油船「ミョンジン15号」(336トン)の船長は、規定に違反して操舵(そうだ)室に1人でいて事故を起こしたことが4日、明らかになった。死者13人を出した業務上過失致死の疑いで緊急逮捕された給油船船長(37)は仁川海洋警察署の取り調べに「(釣り船の方で気付いて)避けるだろうと思っていた」と供述していたことが分かった。共に逮捕された甲板員(46)は事故当時、操舵室にいて業務をしていなければならなかったが、その場にいなかった。

【写真】転覆した釣り船の凄惨な姿

 海洋警察署は「釣り船と給油船は双方とも同じ地点に向かって進み、距離が徐々に近づいていたのにもかかわらず、事故発生を防ぐための注意義務を果たしていなかった」と明らかにした。海洋警察署は同日午後、業務上過失致死の疑いで給油船船長と甲板員の拘束令状を請求した。

 9.77トンの釣り船の衝突が死者13人・行方不明者2人という大事故につながったのは、このように基本的な規定を無視したモラルハザード(社会的倫理観の欠如)が原因の一つだと指摘されている。一方の給油船は336トンあり、中型船に分類される。船舶が大きくなるほど運航難易度も大幅に高まる。このため、船舶職員法は船長と船員の権限を資格級数(1-6級)ごとに厳密に定めている。専門家は「給油船は釣り船を発見した際すぐに減速しなければならなかった」と指摘した。一度狭い水路にさしかかると、速度を落とさなければ他船が航路に現れた場合、事故を避けられないためだ。一般的に、船をすぐに止められる最小安全距離は船舶の長さの6倍前後とされている。木浦海洋大学のイム・グンス教授は「全長30メートルのこの給油船は、釣り船を発見したら少なくとも180メートル手前で減速しなければならなかった」と指摘した。ところが、衝突22分前まで10.8ノットで航行していた給油船は、14分後には逆に速度を上げて13ノットに達していた。

 給油船船長は事故が起こった時間、当直勤務で給油船操舵室にいて操舵装置を握っていた。給油船は早朝や夜間に運航する際は2人1組で作業するのが原則だ。補助監視人はこの時、周囲を見張って緊急事態が発生した場合には操舵手に知らせる。だが、補助の当直をするはずだった甲板員はその場にいなかった。1人で操舵(そうだ)室にいた給油船船長は事故当時、船の位置を知らせるレーダーをきちんと見ずに別のことをしていた可能性があると海洋警察署では見て調べている。