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18年度税制改正の全容判明 たばこ税3円増税 観光促進税を創設

12/7(木) 7:15配信

SankeiBiz

 2018年度税制改正の全容が6日、判明した。焦点だった所得税改革は、子育てや介護世帯の負担が増えないよう配慮しつつ、年収800万円超の会社員や高収入の年金受給者を増税、自営業やフリーで働く人を減税する。たばこ税は紙巻きを来年10月から21年度にかけて段階的に1本当たり3円増税し、加熱式も引き上げる。新税として出国時に徴収する「観光促進税」と、森林整備費を賄う「森林環境税」を創設する。

 いずれの項目も、与党が14日に決定する18年度税制改正大綱に盛り込む。所得税の改革は、控除を見直す形で20年1月からの実施を目指す。ただ、年収800万円超の会社員でも、22歳以下の子を育てる人や介護を抱える人は年末調整で増税分を還付するため、負担増にはならない。増税対象は会社員全体の5%程度。

 所得が高い高齢者も増税とする。年金収入1000万円以上で控除額を頭打ちとし、195万5000円で据え置くほか、年金以外の収入が1000万円超の人は控除を縮小する。これらによる増税対象には約20万人が該当する。

 たばこ税は、1本当たり3.5円引き上げた10年10月以来8年ぶりの増税とする。加熱式も段階的に引き上げる。新税として創設する観光促進税は19年4月に導入し、日本の出国時に1人1000円を徴収。森林環境税は個人住民税に1人当たり年1000円を上乗せする形で24年度の導入を目指す。ゴルフ場の利用料に上乗せして徴収される「ゴルフ場利用税」は存続する。

 企業向けでは、賃上げと先進技術への投資を条件に法人税の実質負担を20%程度まで引き下げる。企業が接待に使った交際費課税の優遇は2年延長。雇用を増やした企業の法人税を減額する雇用促進税制は、最近の雇用改善で支援の必要性が薄れたとして廃止する。

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 ■消費増税も考慮 所得再分配必要

 日本総研の山田久主席研究員 高所得のサラリーマンが増税となり、自営業やフリーで働く人を減税とする今回の所得税改革は妥当だ。これまで自営業は経営者に性格が近く、節税ができたため、会社員は所得税で優遇されてきた。だが、個人が在宅で仕事を請け負うなど自営業の働き方も会社員に近くなっている。

 所得税見直しは消費税増税とセットで行われるべきだ。消費税率を上げると、低所得者ほど税負担感が重くなる逆進性が問題となり、所得税で所得再分配を図る必要がある。消費税増税時に高所得者の所得税を上げれば勤労意欲を阻害しかねない。

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 ■配偶者控除など 幅広い見直しを

 法政大大学院の真壁昭夫教授 自営業やフリーで働く人を減税とすることは、日本ではまだ少ない起業を税制面で後押しするという意味で、方向性としては基本的に間違っていない。

 しかし、その代わりに高所得のサラリーマンを増税して、税を取れるところから手っ取り早く取ろうというのには問題がある。

 消費税は国民の反発などがあって簡単に引き上げることはできないが、所得税の配偶者控除など、見直せる項目は他にもいろいろあるだろう。

 日本の財政状況は世界的にみても厳しく、高所得のサラリーマンの所得税を見直すだけで対応できるものではない。税制の見直しでは、幅広い選択肢をフレキシブルに検討していくことが重要だ。

最終更新:12/7(木) 7:15
SankeiBiz