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2018年春闘 中小含め「底上げ春闘」に転換

12/7(木) 7:15配信

SankeiBiz

 2018年春闘をめぐっては、連合が2%程度のベア要求方針を決める一方、金属労協は月額3000円以上のベア要求方針案をまとめた。3000円は金属労協傘下にある労働組合員の月給平均の1%程度と連合の要求水準より低いが、17年春闘でベアを獲得した労組は57%にとどまる。大手企業を対象に高い賃上げ目標を掲げる従来方式から、中小の賃上げを進める「底上げ春闘」に転換しつつある。

 「17年春闘で、組合員300人未満の中小(企業の労組)でベア獲得は5割弱。3000円どころかベア自体がとれていない」

 金属労協の高倉明議長はこう振り返り、高い要求設定ではなく、「ベアの獲得率を上げる」戦略を明確にした。

 連合も17年春闘でベア要求を2%程度とし、これに働いた年数に応じて基本給が増える定期昇給(定昇)分の2%を加え、合計4%程度の賃上げ目標を掲げたが、実際の賃上げ率は1.98%にとどまった。

 連合は18年春闘でも同じ要求を掲げるが、ある幹部は「数値的な目標うんぬんより、実際の賃上げ率を高めることや、中小の賃上げを進めるための取り組みに注力したい」と打ち明ける。

 こうした動きは、安倍晋三首相の経済界に対する「3%賃上げ要請」を強く意識したものだ。首相要請を受け、経営側の春闘方針をまとめる経団連は「3%賃上げの社会的期待を意識した取り組み」を会員企業に呼び掛ける方針だ。

 首相官邸が主導する賃上げは「官製春闘」と揶揄(やゆ)されるが、連合の神津里季生会長は「首相に言われて賃上げに対応できるのは大企業だけ。追いつけない中小との格差がますます広がる」と懸念を示す。

 中小企業を含む底上げ型の賃上げを実現できるかが、デフレ脱却に向けた課題となってきた。(平尾孝)

最終更新:12/7(木) 7:15
SankeiBiz