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A東京に難病の小1入団 バスケが社会貢献する意義とは

12/6(水) 7:47配信

朝日新聞デジタル

 A東京が11月15日、東京都府中市にある練習拠点の体育館で、骨の難病「ペルテス病」と闘う小学1年生、人形櫂世(ひとかたかいせい)君の「入団式」を行った。櫂世君はパビチェビッチ監督から誕生日にちなんだ背番号「14」のユニホームを着せてもらい、満面の笑みを浮かべた。

【写真】パビチェビッチ監督(左)にA東京のユニホームを着せてもらった人形櫂世君=15日、トヨタ自動車府中スポーツセンター

 スポーツを通じて長期療養を必要とする子どもたちを支援するNPO法人「Being ALIVE Japan」の協力で実現した。櫂世君は今後、4カ月にわたり、練習参加やスタッフの仕事の体験、ベンチ入りなど8回のプログラムが用意されている。1日だけ入団するような例は他のプロスポーツでもあるが、長期にわたって活動を続けるのは珍しいという。

 Bリーグの社会貢献活動は昨年9月の開幕以前から始まった。4月に発生した熊本地震を受け、8月に東京都内でチャリティーマッチを開催。今年1月のオールスター戦に合わせて、社会的課題解決のためのプロジェクト「Bリーグ Hope」を立ち上げ、難病の子どもたちと家族を招待した。来年1月に熊本市で開催される今季のオールスター戦でも、被災した子どもたちの遊び場を作るなどの活動を予定している。

 ただでさえ急ごしらえだったBリーグが開幕年からこうした活動を始められたのは、NBA(米プロ協会)が2005年から手がける「NBAケアーズ」というバスケット界の先輩のお手本があったからだ。

 「NBA選手はその知名度を活用して、社会に変革をもたらせる」という考えから、世界中で教育や公衆衛生、災害支援などに関する慈善活動をしてきた。Bリーグも当然のように、社会貢献活動を開幕準備と同時に進めたという。

 葦原一正事務局長は「観客にたくさん来てもらい、お金を稼ぐことはBリーグの目的ではなくて手段。競技力を上げることも手段。では目的とは何か。バスケットボールを通じて社会を変革していく団体であることなんです」と話す。

 11月17日、NBAの名選手だったディケンベ・ムトンボ氏(51)が来日し、大河正明チェアマンと会談した。現役時代から母国コンゴ民主共和国に病院を建設するなど慈善活動に熱心だったことで知られる。ムトンボ氏は選手の社会貢献活動の意義をこう話した。「選手は引退後、社会に戻る。そこに貢献し、礎を築いておけば自分が帰る場所ができる。その場所をよりよいものにすることが彼らの使命だ」(伊木緑)

朝日新聞社