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千葉市、民間と連携し「終活」支援 1月4日から相談受け付け

12/6(水) 7:55配信

産経新聞

 千葉市は来年1月から、民間事業者と連携して高齢者のいわゆる「終活」支援に乗り出すことになった。「エンディングサポート」は、身寄りのない1人暮らしの高齢者が増加する中、最期に向けた身辺整理などに対する不安を払拭するために相談に応じ、必要な支援を行う。行政が住民の終活を支援するのは政令指定都市では初の試みとみられ、高齢化社会で行政が担う新たな役割の一つとして注目を集めそうだ。

 市高齢福祉課によると、市内の75歳以上の単身高齢者の数は、同課が把握する限りで今年度は2万1026人。5年前の24年度は1万5118人で年々増加の一途をたどる。終活に対する支援が喫緊の課題に浮上しており、このための今年度予算として約140万円計上した。

 ◆研修でノウハウ吸収

 11月に協働事業者として協定を締結した終活支援会社「イオンライフ」(千葉市美浜区)とともに、今月から職員らに対する終活支援の研修会などを実施。同社のノウハウを生かして職員の専門性を強化し、来年1月4日から、市内30カ所の高齢者の相談窓口「あんしんケアセンター」で本格的に終活に関する相談を受け付ける。法律上の問題など、高度で専門的な相談に関しても、同社の協力により対応できるようにするという。

 所管する市地域包括ケア推進課によると、計画当初は、行政としては先駆的に住民の終活支援に取り組んでいた神奈川県横須賀市の手法を参考に、低所得層の高齢者を対象とした葬儀や納骨といった相談を主に取り扱う予定だった。

 だが、住民から「遺書の書き方が知りたい」「終末期医療に関する相談がある」「先祖代々のお墓を閉じるにはどうしたらいいか」といった相談が寄せられた。このため、地域包括ケアの一環として死後への不安払拭や最期に向けた準備を進めることで高齢者がよりよい人生を過ごせるよう、葬儀にとどまらず医療、介護など幅広い範囲で相談に応じられるようにするという。

 ◆一人一人の価値観尊重

 また、センターでの相談だけでなく、今年10月からは終末期医療など身近なテーマを設定した地域ごとの小規模講演会もスタート。超高齢社会と終末期医療に詳しい医師で講演会の講師も務める高林克日己・千葉大名誉教授は「終末期医療など、最期のあり方について自分自身で考えることは決して悪いことではなく、大変重要なことだ」と強調。その上で「終活への意識が広まった今、行政が悩む高齢者の相談に乗れる取り組みには期待したい」と述べた。

 一方で、人生の最期というデリケートな問題について、行政による介入が度を過ぎれば市民からの反発を招く懸念もある。同課は「特定の方向に誘導するのでなく、あくまで選択肢を提供するために相談に乗ることが目的。相談者一人一人の価値観を尊重する制度にしなければならない」と注意している。

 来年2月には医療機関や介護事業者、NPO団体などをメンバーとした終活支援の課題解決のための検討会も立ち上げる予定。イオンライフだけでなく、他の民間業者からの協働事業の提案も受け付けるといい、今後の支援の充実も期待できそうだ。

 問い合わせは同課(電)043・245・5266。

最終更新:12/6(水) 7:55
産経新聞