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雇われるだけじゃない。寝たきり社長が語る「障がい者が起業できる社会」

2017/12/8(金) 18:15配信

THE PAGE

テクノロジーと雇用の創出

 調べているうちにデジタル透明文字盤による「視線入力装置」の存在を知る。眼球の動きでパソコンを操作するシステムだ。退院後、このシステムを導入し、タイピング速度が10倍近く向上したのだという。そして、現在は、名古屋市にある椙山女学園大学と共同で、障がい者をICTで支援するサークル「Y E L L T E C H」を立ち上げ、病院や特別支援学校に出向いて、視線入力システムのデモンストレーションをし、普及活動を行っている。

 佐藤さんは「テクノロジーの進化は本当に助かっている」と本書で何度も述べている。恩田さんも「ALS患者は身体のいろいろな部分が動かさなくなっても、最後に眼の動きだけは残るのが一般的」「情報の格差が生活の質の格差につながってしまう」と話す。

 テクノロジーが進化して、障がい者の働く場所が増えていく。そうした未来を二人は描いている。

 佐藤さんは「絶望の入院のおかげで、佐藤がさらに進化した」と明るい。私が「転んでもタダでは起き上がらないですね」と水を向けたら、佐藤さんは「いえ、ずっと寝てます」と笑った。佐藤さんらしい、ユーモアある受け答えだ。

 佐藤さんは、本書でこんなふうに言っている。「障がいをもって生まれた子どもたちは、大人になったときに働く場所がなかったり、不憫な思いをしたりしないよう、僕と恩田さんでいまから変えていくから、安心して未来を待っていてほしい」。

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最終更新:2018/10/2(火) 16:31
THE PAGE

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