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“預かり中”ダウン症男児死亡 堺市の日中一時支援事業で

12/6(水) 19:18配信

MBSニュース

 ダウン症の1歳の男の子が堺市にある預かり施設で食事をのどに詰まらせ、死亡する事故があったことが、6日の市議会で明らかになりました。

 1歳9か月だったけんたちゃん。ダウン症で発達は少しゆっくりでしたが、つかまり立ちができるようになった頃でした。母親が特に気をつけていたのが、食事です。

 「食事内容ですね。のどに詰まるのが怖いから、おかずは固形じゃなくてドロドロのすりつぶした状態で」(母親・40代)

 ダウン症の子どもは食べ物を噛んだり飲み込んだりする力が弱いため、母親はけんたちゃんが1歳9か月になっても、生後7か月くらいの子どもが食べる柔らかいものを食べさせていました。

 事故が起きたのは、去年11月。障がい者を一時的に預かる堺市の指定事業者の施設の中でした。この日、母親は仕事のため夕方から預けていました。ところが・・・

 「『お母さん、けんちゃんが意識がないんです、すぐ来てください。食事中にのどに食事が引っかかってしまったから』と言われて、びっくりして」(母親)

 施設から連絡が入り慌てて駆けつけると、意識がなく心肺停止の状態でした。救急搬送されましたが、そのまま脳死状態となり8日後に亡くなりました。

 「悲しかったです。涙しか出てこなくって」(母親)

 診断書には、「食事していたところ誤嚥し、窒息した」と記されています。母親が職員らに説明を求めたところ、提供された食事が生後12か月の子ども用だった可能性があることや、食事中にけんたちゃんが咳き込んだのに食事をあげ続けた、などの証言を得ました。

 一方、施設側が市に提出した事故報告書では「食事介助終了直後に苦しそうになった」と、あくまで「食事の後」に起こったとしたうえで、「判断に甘さがあった」と記されていました。

 公表されないまま、1年以上が過ぎたこの事故。6日、堺市議会で初めて取り上げられました。

 「当局はこの死亡事故について、どのように対応したのか。また、なぜ議会に報告がなかったのか」(堺市議会 森田晃一議員)
 「事業者に対して、利用者の立場に立った適切かつ丁寧な対応を行うよう指導した」(堺市の担当者)

 議員は、双方から話を聞き事故の真相を明らかにするよう求めました。

 「事実関係を把握しなければ、適切な指導はできないのではないですか」(堺市議会 森田晃一議員)

 そもそも、けんたちゃんが預けられていた「日中一時支援事業」は、堺市の基準を満たした施設が行っているもので、現状では職員に保育士や看護師などの資格は必要ありません。堺市は6日の答弁で今後、保育士の配置など事業基準の見直しも検討すると答えました。

 「まずは、しっかりとした基準・規制を定めてほしい」(傍聴した母親)

 MBSの取材に対し、施設を運営する会社は「担当者不在で対応できない」としています。

MBSニュース

最終更新:12/11(月) 19:58
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