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ティラーソン氏辞任なら… 米、強硬路線に勢い

12/6(水) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領が意見の不一致が顕著になっているティラーソン国務長官を辞めさせるのは時間の問題とみられている。北朝鮮との対話を模索し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」残留を主張したティラーソン氏が政権を去れば、国際協調路線がさらに勢力を失うことになる。

 トランプ氏は辞任報道を「フェイク(偽)ニュース」と否定し、ティラーソン氏も「ばかげている」と一蹴した。しかし、報道の情報源はホワイトハウスと目されており、ティラーソン氏に自発的辞任を促しているのは明らかだ。

 ティラーソン氏の後任には下院議員出身のポンペオ中央情報局(CIA)長官、ポンペオ氏の後任にはコットン上院議員をそれぞれ充てる人事が有力視されている。いずれもトランプ氏が昨年の大統領選で主張した不法移民対策の強化やイラン核合意の破棄に同調する強硬な保守派だ。

 「(北朝鮮の)金正恩体制を核システムから切り離すことはできると思う。北朝鮮の人々も彼が去るのを見たいはずだ」

 ポンペオ氏は今年7月、こう述べて北朝鮮の体制転換に前向きな考えを示した。

 トランプ氏は、陸軍士官学校を首席で卒業した経歴を持つポンペオ氏に深い信頼を置き、CIAの職務である対外諜報以外の内政問題に関しても相談している。国務長官になれば最側近として影響力を強めるのは確実だ。

 一方、コットン氏もイラン核合意に反対し、イランの核関連施設に対する軍事攻撃を選択肢とすべきだと主張する強硬派だ。陸軍士官としてイラク、アフガニスタンに赴いた経験を持ち、トランプ氏の忠実な支持者として知られる。

 これに対し、ともに海兵隊大将まで上り詰めたケリー大統領首席補佐官、マティス国防長官や、民間人出身のティラーソン氏は外交努力が行き詰まった場合の最後の手段として軍事行動を位置付けている。

 ポンペオ氏が国務長官になった場合、トランプ政権内のバランスが武力行使を優先する路線に傾くとの見方もあるが、歴代共和党政権でアジア政策を担当した米シンクタンク、カーネギー国際平和財団のダグラス・パール副会長は、産経新聞のインタビューで「ポンペオ氏は賢明な人物であり、国務長官の職を満足に務める」との見方を示した。

最終更新:12/6(水) 7:55
産経新聞