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「いつもより余計に回しております」海老一染之助さん死去…約3年前から療養生活

12/6(水) 19:27配信

スポーツ報知

 傘の上でまりを回す芸で知られる伝統芸能「太神楽(だいかぐら)」の曲芸師・海老一染之助(えびいち・そめのすけ、本名・村井正親=むらい・まさちか)さんが6日午前11時31分、肺炎のため東京・杉並区の病院で死去した。83歳だった。2002年に死去した兄の染太郎さん(享年70)とコンビを組み、テレビの正月番組や演芸番組で活躍。兄亡き後は1人で活動していたが、約3年前から療養生活を続けていた。葬儀・告別式は未定。

 「おめでとうございま~す!」。明るい声とともに軽快に傘を回す芸が、お正月の風物詩として親しまれた染之助さんが、年越しを待たずに天国へと旅立った。

 スポーツ報知の取材に応じた三男によると、染之助さんは1週間ほど前に、肺炎をこじらせ入院。小康状態が続いていたが、6日になって容体が急変した。前日に夫人が病院を訪れた際に「また、あしたね」と声をかけると、笑顔を見せていたという。急だったため、家族は最期に間に合わず「今日、明日にどうこうなるとは思っていなかった」と、大きなショックを受けている。

 染之助さんは1934年、東京・新宿区生まれ。父は落語と笛が得意な芸人で、母も寄席で三味線を弾いていた。45年に兄の染太郎さんと一緒に2代目海老一海老蔵さんに弟子入り。翌年、初舞台を踏んだ。染之助さんは傘回しを担当。染太郎さんが「いつもより余計に回しております」「弟は肉体労働、兄は頭脳労働、これでギャラは同じ」などとはやす声で笑いをとる横で、染之助さんが傘を回す芸は、にぎやかでおめでたいと、正月のテレビ番組にひっぱりだこ。まりや升などの定番だけでなくサッカーボールを回したり、口にくわえた棒の上に土瓶を乗せる芸達者ぶりも有名で、日本テレビ系「笑点」の演芸コーナーには、29回も出演した。

 02年2月に染太郎さんが亡くなった際には、葬儀に舞台衣装の羽織はかまで出席。涙ながらに「おめでとうございま~す!」と決めセリフを披露した。その後は基本的に1人で活動し、04年の正月には落語家のヨネスケ(69)と期間限定でコンビを組むなど話題を呼んだ。近年は体力が衰え、三男によると4年ほど前に仕事を事実上引退。2~3年前から体調がすぐれず、入退院を繰り返しながら療養生活を送っていた。

最終更新:12/6(水) 23:30
スポーツ報知