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中国不動産バブルが弾けない理由

2017/12/6(水) 11:50配信

投信1

中国の開発途上地区における経済状況

中国南西部、広西省チワン族自治区の南寧と防城港という街で、不動産視察をしてきました。

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ここはとてもユニークな場所です。中国の南西端、ベトナム国境まで目と鼻の先という立地。中国とベトナムはかつて戦火を交えた国同士、当時は国境近くが軍事的緊張状態にありましたが、現在はこの地にも平和が訪れ盛んに通商が行われています。

中国から見て、ベトナムの先にはタイ、マレーシア、インドネシアと、前途有望なASEANの国々が続きます。中国政府はこの地に日本とは比較にならない巨額の資金を投入し、ASEANの経済開発、インフラ整備を戦略的に進めています。

その前線基地になる場所が、広西省チワン族自治区の省都・南寧と、その外港である防城港です。近年、李克強首相はじめ中国のリーダーがASEANとの経済関係強化の文脈で南寧や防城港を何度も訪れるなど、かつての南西辺境の地は重要な経済拠点として注目度が高まりつつあります。

日本から行くと、南寧までは遠く感じます。直行便がなく、たいてい上海乗り継ぎになりますが、東京~上海間より上海~南寧間の方が時間がかかるのです。上海からの航路上の各省内には数億人が生活しており、中国の国土がいかに広大であるかを実感します。

国土のスケールが大きいので、地域によって経済状態、暮らしぶりも様々です。たとえば以下のように、同じ国内で賃金・物価格差が2~3倍にもなります。

 ・上海市のタクシー初乗りは14元(238円)だが、広西省防城港市のタクシー初乗りは5元(85円)
 ・上海市内の食堂で張り出される厨房要員の月給は4000元(6万8000円)前後だが、広西省内の食堂だと1800~2000元(3万600~3万4000円)
経済統計を見ると、それが数字で裏付けられています。

1人あたりGDP(米ドル、2015年)
上海市:16,665ドル(32省·自治区·直轄市中第3位)
広西省:5,805ドル(同27位)

上海市民は広西省民の2.8倍も富裕で、先進国(たとえば台湾、ポルトガル)に近い所得水準。一方、後者はタイに相当する新興国水準です(下図参照)。

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最終更新:2017/12/6(水) 14:00
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