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日本公開中止!ジェニファー・ローレンス主演作『マザー!』は、何が衝撃なのか?

12/6(水) 7:10配信

dmenu映画

奇才ダーレン・アロノフスキー監督が、アカデミー賞常連のジェニファー・ローレンスを主演に据えた最新作『マザー!』の日本劇場公開が見送られた。私生活でも交際に発展した実力派監督&主演女優のコンビに加え、ミステリアスな役どころを担う主演男優ハビエル・バルデムの存在感、ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門への出品など、話題性は抜群。ところが、ひとたびお披露目されるや、その衝撃から賛否が極端に分かれることになった映画だ。一体、どのような作品で、何が衝撃なのか? 米国からリポートする。

新しい詩が書けずに苛立つ夫と安らかな幸せを築こうとする妻

主な登場人物は、スランプに陥っている著名な詩人の夫(ハビエル・バルデム)と、2人の家を修復しながら日々を過ごす従順な妻(ジェニファー・ローレンス)。本編を通して、2人の名前が明かされることはなく、エンドクレジットでも、夫は“彼”、妻は“マザー”と表記される(彼らが特定の人物ではなく、何かを象徴するメタファーであることを感じさせる設定なのだ)。新しい詩が書けずに苛立つ夫と、そんな彼にどこか怯えながらも、家の壁を塗り替え、床の割れ目を補修し……安らかな幸せを築こうとする妻。そこへある日、夫が予期せぬ客人(エド・ハリス)を招き入れたことから、事態は急変していく――。と、ここまでがストーリー要旨なのだが、衝撃が続くのはこの後からだ。

**次の段落は、ストーリーの核心に触れる部分があります**

あらゆる要素を含んでいるが、本当に伝えたいことは何なのか?

最初は1人だった客人だが、詩人はやがて、自分のファンやフォロワー、ジャーナリストらを次から次へと招き入れ、妻が大切に守ってきた家のなかは大衆で溢れかえる。熱狂する大衆は、金銭トラブル、暴力、窃盗、殺人など、ありとあらゆる人間の凶行を繰り広げ、家は崩壊状態に。そして、尊い命を宿していた妻が男児を出産すると、事態はさらに悪化する。大衆の前に赤ん坊を掲げる夫。詩人の一部を欲するあまり、赤ん坊に触れようと荒れ狂う大衆。その後、赤ん坊と妻の身に起きる出来事と夫の行動は、身体的かつ倫理的に筆舌に尽くしがたいものである。

アロノフスキーがそこまでして伝えたい、強烈なメッセージとは一体? 人間心理を深堀するようなサイコ、恐るべき惨劇が繰り広げられるホラー、背筋がぞっとするようなサスペンス、男女関係の泥沼を描いたようなダークドラマと、あらゆる要素を含んでいるが、本当に伝えたいことは何なのか? 見る人によって、十人十色の解釈があるタイプの作品なのだ。

「何の予備知識もなく見てほしい」というアロノフスキー監督に対し、「事前にテーマがわかっていれば、少しは平常心で見られるはず」と観客の負担をおもんぱかるローレンス。そんな2人のインタビュー・コメントから明かされた本作のテーマは“地球環境問題”であった。ローレンス演じる“マザー”は“母なる地球”、バルデム演じる“彼”は“神”。本作が映し出しているのは、気候変動と環境破壊における人類の功罪なのだ、と。もちろん、そのほかにも、芸術と狂気、宗教と信者、セレブリティと世論、キャリアと家庭……など、さまざまな要素が突き刺さるため、批評家のなかには、「監督は気候変動についての映画だと言っているが、それは嘘だ」などと反論をする声もあるほどだ。

どちらにせよ、本作の衝撃に打ちのめされたのは、批評家や観客だけではない。ローレンスは「この役はもう二度とできない」と断言し、配給元のパラマウント・ピクチャーズは“問題作”を全米公開した理由について、異例の擁護コメントを出すにいたった。

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最終更新:12/6(水) 7:10
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