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JOLED、世界初の印刷方式有機ELパネルを製品化。12/5より出荷開始

12/6(水) 19:00配信

Stereo Sound ONLINE

大画面サイズも視野に入れて開発を進めている

 株式会社JOLED(ジェイオーレッド)は、RGB印刷方式による有機ELパネルを世界で初めて製品化、本日(12月5日)から出荷を開始した。今回は医療用モニター向けのデバイスとのことで、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社に向けての出荷だったという。

【画像】最薄部は3mm

 JOLEDは、ソニーとパナソニックの有機EL事業を引き継いで2015年に誕生した有機ELパネルの専業メーカーで、今年5月に印刷方式による21.6インチの4Kパネル(水平3840×垂直2160画素)のサンプル出荷を開始したとアナウンスしていた。

 今回の製品化されたのは、その時と同じ21.6インチ4Kパネルであり、画素数や明るさなどのスペックは基本的に同じだ(クライアントからの要望で、視野角については若干広めに改善されているとのこと)。パネルの価格は公表されなかったが、サンプルパネルよりはかなり抑えられている模様だ。

 本日開催された説明会では、同社代表取締役(CTO)の田窪米治氏が同社のこれまでの歩みや、今回製品化にいたった経緯を紹介した。

 先述したように今回のパネルは5月に発表されたものと同等のスペックを持ち、石川にあるジャパンディスプレイのテストラインで製造されている。このラインではG4.5(920×730mm)のマザーガラスを使っており、21.6インチパネルを月産約4000枚製造できるようになったという(5月の時点では月産2300枚前後)。

 会社創立からわずか3年で量産化を可能に出来たのは、ソニーやパナソニックで10年以上に渡って進められてきた開発技術の賜であり、かつ両社がJOLEDに統合されたことで生まれたシナジーが技術開発を加速・発展させた結果だという。さらに印刷方式の有機ELパネルに期待してくれたクライアントあってこそだと、田窪氏は話していた。

 現在製品化されている有機ELパネルは。小型サイズでは蒸着型、大型サイズは白色パネルが主流だが、どちらも製造上のプロセスの関係から中型化などのサイズ展開が難しいという。

 それに対し印刷方式の有機ELパネルは、製造工程の面からも小型化、大型化への展開が可能で(現在の204ppiを超える細密化はさらなる研究が必要)、将来的にはタブレットから大画面テレビまで発展できる可能性を備えている。この全サイズを同じプロセスで作れるというのは他にないメリットで、田窪氏はこの点を活かして、印刷方式を有機ELパネルのデファクトにしていきたいと説明していた。

 今回の製品出荷先であるソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ以外にも、既にいくつかのクライアントとの商談も始まっており、さらに大型パネルも製造可能な印刷設備の原型開発も完了しているそうだ。

 こちらはG8.5(55インチパネルが6枚取れる)のマザーガラスを使っており、中型はもちろん、大型テレビ用としても使える可能性はある。ちなみに今回の21.6インチパネルは色域がBT.709相当で、ピーク輝度350カンデラ/平方メートルのSDR仕様だが、1~2年後を目処にピーク輝度をもっと上げてHDR信号にも対応、さらに駆動速度を上げていくような研究も進めているという。

 最後に、今回の21.6インチパネルの製品化は第一歩であり、同業他社とも力を合わせて有機ELの普及を進めていきたいと田窪氏は語っていた。

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最終更新:12/6(水) 19:00
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