ここから本文です

図書館が読書の新スタイル提案 BGM生演奏やコーヒー提供、趣向変え第2弾も /佐倉・八街

12/6(水) 12:01配信

千葉日報オンライン

 千葉県佐倉市と八街市の市立図書館で、新たな読書スタイルを提案する試みがそれぞれ展開されている。佐倉では読書に適したBGMを探り、八街では「読書のお供」となるコーヒーを提供。いずれも利用者から好評で、今後もさまざまな“実験”に取り組む方針だ。

(佐倉支局 平口亜土)

 佐倉市立志津図書館で10月に初開催されたのは「ライブラリーラボラトリー」と銘打った実験イベント。読書のためのBGMを館内でライブ演奏するという内容で、よくある「図書館コンサート」とは趣旨を異にする。本来静かな空間であるべきとされる図書館に音楽機材が持ち込まれ、ミュージシャンが気持ちを込めて曲を奏でる中、客はそれぞれお気に入りの本を手にしてページをめくる-という不思議な光景が館内に出現した。

 出演したのは、電子音楽と生楽器の演奏を織り交ぜるスタイルの音楽を得意とする宮内優里さん。曲調がいわゆる「癒やし系」である上、客の反応を見ながらの即興演奏のため、読書を邪魔することなく、むしろ客の心を落ち着かせて本への集中を促している様子だった。

 当日は、参加用の閲覧席30席を超す約160人が来館する盛況ぶり。同館が参加者を対象に実施したアンケートでは、イベント内容に9割近くの人が「満足した」と回答。記者の取材に対しても「また参加したい」「本と音楽の両方を楽しんだ」などと好意的な声が多く聞かれた。

 初めてのシチュエーションに最初は戸惑い気味だった宮内さんも「最終的に自分がイメージした空間にできた」と手応えを感じていて、客も演奏者も「ウィンウィン」の結果となったようだった。

          ◇

 八街市立図書館では11月、「ライブラリーカフェ」が行われた。市内のカフェ「ピーナッツテラス P-Cafe」が館内に出店し、客にコーヒーを味わいながら読書を楽しんでもらう試みで、こちらも初開催。最近、カフェ併設の図書館が現れてきていることに着目し、同館が企画した。

 クッキーも付いた1杯200円のコーヒーは、利用者から注文が次々と入り、同館の当初予想を超す売れ行きとなった。客はコーヒーの香りを堪能しながらリラックスして本を読んだり、司書のサポート役「ジュニア司書」を務める中学生による絵本の読み聞かせを楽しんだりした。

 コーヒーの提供は志津図書館でも生演奏イベントの際に実施したが、「良い香りに癒やされた」「幸せなひとときを過ごせた」などと総じて好評だった。

          ◇

 図書館は本来、音をなるべく立てず、飲食も控えて、「お行儀良く」していないといけない空間だ。
 どちらのイベントもそうした固定観念を打ち破る試みで、最適な読書環境とは何だろうかと改めて考える契機となった。両館とも趣向を変えた内容の第2弾の実施を検討しているといい、実験の行く末が注目される。