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ごみ集積所廃止で効果 中華街の実験

12/6(水) 19:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 横浜中華街・山下町公園前(横浜市中区)の家庭ごみ集積所を廃止する社会実験は、6日で1カ月を迎える。大勢の観光客らが行き交う中、事業系ごみなどがあふれかえっていた状況から一転、公園前は清潔感を保っている。社会実験の実施主体である横浜市は一定の手応えをつかむとともに、観光客の増加が予想される2020年東京五輪を見据え、「今後もきれいな街を維持したい」としている。

 同公園前の集積所は、家庭ごみが対象にもかかわらず、飲食店による調理くずや残飯など、本来、有料で処分されるべき事業系ごみが大量に出される事態が、10年以上前から続いていた。公園前という誰でも捨てやすい環境でもあり、収集日以外にもごみが目立ち、景観の悪化や悪臭が地域の大きな課題となっていた。

 市と地元・山下町町内会は11月6日、この集積所を撤去し、複数の代替地に分散させる社会実験を開始。防犯カメラで不法投棄を監視するほか、当初の2週間は市職員が現場に常駐し、パトロールを行うなど違反者には厳正に対処する方針を示した。

 集積所のあった場所にはプランターを置き、花を植えた。同町内会の栗田繁夫会長(77)は実験初日、これまで抜本的対策を打ち出せずにいたと明かした上で「(状況改善に向け)きょうがスタートライン。多くの観光客が快適に憩える場所になってほしい」と力を込めた。

 それから1カ月。花で彩られたプランターが三つ置かれ、ごみは捨てられていない。「(社会実験について)新聞やテレビで取り上げられたこともあり、今のところ不法投棄は確認されていない」と市都心再生課。パトロール中も、大きな混乱はなかったという。

 代替地への集積所新設に伴い、小単位での住民説明会を重ねたことで、「住民同士の顔の見える関係ができ、自分たちで管理するという意識が芽生えつつあるようだ」と、“想定外”のプラスの効果も実感している。

 市などは、年明けにも住民アンケートや意見交換会を開催。効果検証を行い、引き続き集積所を廃止するかどうか、来年3月末までに結論を出す方針だ。同課は「年間2千万人が訪れるとされる中華街。さらなる来訪者が予想される東京五輪・パラリンピックなども控え、環境改善は急務。今の状態が『普通』となるよう、市としても注力したい」と話している。