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伝統「藤野村歌舞伎」 子どもたち、練習に汗 9、10日に公演

2017/12/6(水) 19:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 相模原市緑区の藤野地区住民が演じる藤野村歌舞伎の公演が9、10の両日、県立藤野芸術の家(同区牧野)で行われる。役者約30人のうち半数は子どもたちが占め、今年は冒頭の口上も中学生が初めて務めることになった。4日夜から本番用舞台を使ったけいこが始まり、大役を任された同市立藤野中2年山崎花さん(14)は、長文の口上の暗記に全力で取り組んでいた。

 村歌舞伎は戦時中まで旧藤野町の各地区で演じられてきたが、戦後は衰え1965年を最後に途絶えたという。復活の機運が高まり、92年11月に復活公演を開き、現在は藤野歌舞伎保存会(諸角安治会長、会員約50人)主催で定期公演を行っている。定員以上の観覧希望者が集まる回もあるほどの人気を誇る。

 26回目の今年は「牡丹獅子」「奴さん」「かっぽれ」と三つの踊りに続いて「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ) 寺子屋の段」を演ずる。

 役者のほぼ半数は、小学2年から高校生までの子どもたちで、上は70歳代後半もいるという幅広い世代で演じる。6月ごろから週1回の練習を重ね、4日は小学生が和服姿で舞台に並んで座り、寺子屋で手習いに励む演技などを熱心に練習した。諸角会長ら大人は、刀を使った立ち回りなどを丁寧に確認した。

 一方、口上を述べる山崎さんは客席のいすに腰を下ろし、長尺の口上の紙を膝に置いて暗記の真っ最中。「トザイ、トーザイ 一座高(たこ)うは御座りまするが…」から始まり、村歌舞伎復活以降の経緯などを説明する。「まだ8割くらいの仕上がり。本番になったら頭が真っ白になっちゃうかも」と山崎さんは緊張気味。村歌舞伎を小学4年から始め、白浪五人男の弁天小僧などを演じてきた。「山崎屋ーっ、と声を掛けてくれるお客さんもいて、うれしくなる」と村歌舞伎の魅力にはまっている様子。

 諸角会長は「昨年、節目の25周年を迎えた。26回目となる今年からは、これまで添えていた『復活』の文字を外した。前だけを向いて一本立ちしていく」と意気込みを語った。

 両日とも午後1時開演。入場無料。問い合わせは県立藤野芸術の家電話042(689)3030。