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エルサレム首都認定 アラブ諸国懸念 過激派にテロ口実

12/7(木) 7:55配信

産経新聞

 【カイロ=佐藤貴生】トランプ米大統領がエルサレムはイスラエルの首都だと認定する動きを示し、中東のイスラム諸国の首脳らはこぞって懸念を表明した。弱体化している「イスラム国」(IS)などのイスラム過激派を活気づけ、米欧を標的にした新たなテロに駆り立てる事態さえ予想される。

 「世界中のイスラム教徒の感情に火をつけることになる」。トランプ政権と親密な関係を築いてきたサウジアラビアのサルマン国王は5日、電話会談でトランプ氏に警告を発した。

 こうした懸念の背景には、多くのアラブ諸国が歴史的に、パレスチナ問題の解決を対外政策の重要課題に据えてきたことが挙げられる。最近では実体を失い、やや陰りもみえていた“アラブの大義”がトランプ氏の決断により息を吹き返した形だ。

 しかも、民衆の反米感情の高まりは、イスラム過激派にすれば、メンバーを徴募しテロ攻撃を活発化させる格好の口実となる。イスラム教聖地であるエルサレムを「イスラエルのもの」とする米国やその同盟国を攻撃することは、宗教上の正当な聖戦(ジハード)だ-というロジックだ。

 一方、パレスチナ自治区ガザを実効支配してきたイスラム原理主義組織ハマスは、米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定するなら「新たなインティファーダ(反イスラエル闘争)」を呼びかけるとしている。中東世界の反米感情の高まりは、予断を許さぬ事態を招く危険性をはらんでいる。

最終更新:12/7(木) 7:55
産経新聞