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<エルサレム首都認定>正式表明に各国から批判や懸念

12/7(木) 20:18配信

毎日新聞

 トランプ米大統領が6日(日本時間7日午前)、ホワイトハウスでエルサレムをイスラエルの首都に認定すると正式に表明したことを受けて、各国から批判や懸念の声が上がっている。

 ◇イラン

 イランのロウハニ大統領は6日、「挑発的で危険な動きだ」と非難した。トランプ大統領による正式表明に先立ち、トルコのエルドアン大統領との電話協議で述べた。タスニム通信などが伝えた。

 イランはイスラエルを「パレスチナの占領者」とみなし、国家として承認していない。ロウハニ師は13日にトルコで開催されるイスラム協力機構(OIC)の臨時会合に出席し、対応を協議する意向を明らかにした。イランの最高指導者ハメネイ師も6日の演説で、トランプ政権は「無能」と非難した。

 トランプ政権は現在、イランが2015年に米国など主要6カ国と結んだ核合意の見直しを検討し、「イラン敵視」を鮮明にしている。イランはこれに強く反発しており、ミサイル開発を進める軍事組織・革命防衛隊などの反米強硬派がさらに勢い付く可能性もある。【カイロ篠田航一】

 ◇ドイツ

 ドイツ政府のザイベルト報道官は6日夜、ツイッターに「エルサレムの位置づけは(イスラエルとパレスチナの)『2国家共存』に関する協議の中で取り決められるもので、独政府はトランプ氏の姿勢を支持しない」とするメルケル首相の声明を公表した。

 ナチスによるホロコースト(ユダヤ人迫害)の歴史から、戦後ドイツはイスラエルとの和解と友好関係を重視してきた。だが、今回のトランプ氏の決定については距離を置く姿勢を明確にしている。ガブリエル独外相は「火に油を注ぐ行為だ」と国際情勢より選挙公約の実現を優先するトランプ氏を非難。中東和平の頓挫やイスラエルとパレスチナの衝突激化に懸念を表明した。【ベルリン中西啓介】

 ◇インドネシア マレーシア

 インドネシアのジョコ大統領は7日、臨時の記者会見を開き「決定を強く非難する。米国に再考を求める」と表明した。「決定は世界の安全保障を乱すものだ」と強調した。

 またマレーシア外務省も「極めて憂慮する」と決定を批判する声明を発表。「地域の安全保障や安定に反動があるだけでなく、テロとの戦いも一層困難になる」と指摘した。イスラム教徒が多数派の両国では、パレスチナ人に同情的な世論が強く、今回の決定で反米感情が高まるのは避けられない情勢だ。【ジャカルタ平野光芳】

 ◇駐日パレスチナ常駐総代表部

 駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・アリ・シアム大使は7日、東京都内で記者会見し、「トランプ氏の決定はパレスチナ人に対する敵対行為だ」と非難した。

 シアム大使は中東和平交渉について、「米政権はこれまで交渉の仲介者だったが、トランプ氏は和平交渉の再開に向けた努力を回避した」と批判。「米国の国際的な地位が破壊された。和平交渉には悪影響しかない。米国が中立的な仲介ができるとは思わない」と述べた。

 米国の決定に対する各国からの懸念に謝意を表し「2国家共存(の枠組み)を守るために実務的な措置を取り、状況の悪化に反対するよう求めたい」と語った。【久野華代】

最終更新:12/7(木) 21:41
毎日新聞