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<INF条約>ロシア、日本のミサイル防衛システムも批判

12/7(木) 21:39配信

毎日新聞

 調印から8日で30年となる米国とロシアの中距離核戦力(INF)全廃条約が存続の危機を迎えている。米露が互いに「条約違反だ」と非難合戦を展開する中、反露派が大勢を占める米議会は、INFで禁止対象のミサイルの開発調査費として新年度予算に5800万ドル(約60億円)の計上を決定した。

 ロシアによる「米国側のINF全廃条約違反」の主張には、日本が配備を計画するミサイル防衛(MD)システム「イージス・アショア」への批判も含まれる。

 ラブロフ外相は11月24日、モスクワでの河野太郎外相との会談でこの問題を取り上げた。会談後の共同記者会見で、ラブロフ氏はイージス・アショアについて「(海上配備型)迎撃ミサイルのSM3だけでなく、巡航ミサイルのトマホークを搭載できる。INF全廃条約で禁じられたミサイルだ」と指摘した。

 これに対し、河野外相は「北朝鮮の脅威に対処するために日本が購入し、日本が運用する、日本のミサイル防衛システムであり、ロシアにとって脅威ではない」と説明。だが、ラブロフ氏は「我々は米国人(の性格)をよく知っている。彼らがMDの運用を他国に任せることは絶対にない」と述べ、主張はかみ合わなかった。

 ロシア側は、日本のイージス・アショア▽米軍が韓国で配備を急ぐ「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」▽欧州でNATOが運用するMD--が一体をなし、「不思議なことにロシアと中国を包囲する形で配備されている」(ラブロフ外相)と見ている。米国のMDを巡る米露の対立は2000年代から続いており、INF全廃条約の維持を揺るがす大きな要因となっている。【モスクワ杉尾直哉】

最終更新:12/7(木) 21:39
毎日新聞