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NHK訴訟 視聴者の声、真摯に対応を

12/7(木) 7:55配信

産経新聞

 NHKの受信料制度を「合憲」とした最高裁大法廷判決は、公共放送と民間放送が併存する「二元体制」は国民の「知る権利」を実現するための重要な仕組みと指摘。公共放送を担うNHKの財源として、テレビ設置者に公平に負担を求める制度には合理性があると結論づけた。

 受信料制度は、NHKを視聴しているかどうかにかかわらず、テレビ設置者すべてにNHKとの契約締結と受信料支払いを求めるものだ。民放が広告などに収益を頼るのに対して、NHKは受信料という安定した財源を約束されてきた。

 NHKには放送法で、日本全国で受信できる「豊かで良い番組」を放送する、といった義務も課されている。これまでに、受信料制度を是認する司法判断が続いてきたのは、地方向けの番組放送や災害報道、放送技術の研究など、NHKの公共的な役割に意義があると判断されてきたためだ。

 一方、放送法施行当時と比べ、民放の多様な番組やインターネットなど視聴者の選択肢は増え続けている。視聴者にはNHKを見ていないのに受信料を負担することへの不満もくすぶる。

 同じく「合憲」とした1審東京地裁判決は「不偏不党の立場」や「視聴率にとらわれない多角的視点」を踏まえた放送が行われていないと視聴者が感じれば、「受信料制度を支える基盤の一つが失われることは明らか」とも警告している。

 NHKには、視聴者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、引き続き公共放送としての使命を全うすることが求められている。(滝口亜希)

最終更新:12/7(木) 7:55
産経新聞