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<党首討論>今年はゼロ 時間制約、野党も敬遠

12/7(木) 22:03配信

毎日新聞

 国会の党首討論が2000年の正式導入後、初めて年間に1回も開かれない見通しになった。12年末の安倍政権発足後は軒並み低調だ。45分という限られた時間で論戦がかみ合わないことが多いため、最近は攻める側の野党が敬遠する傾向があり、国会活性化へ見直しを求める声も出ている。【村尾哲】

 党首討論は英国議会を参考に、国会改革の目玉として始まった。05年までは年に5~8回開かれていたが、13年以降は年1、2回に減少。「月1回開催」という14年5月の与野党の申し合わせは空証文にとどまっている。

 最大のネックは1回45分という時間制限だ。討論には「衆参いずれかで10人以上」を満たす野党会派が参加でき、現在資格があるのは立憲民主党、希望の党、無所属の会、共産党、日本維新の会、民進党の計6会派。全党首が討論に立てば持ち時間は減り、安倍晋三首相と突っ込んだ論戦をするのは難しい。

 しかも、首相が他の委員会や本会議に出席する週は党首討論を開かないのが慣例。このため野党には、党首討論で不完全燃焼に終わるぐらいなら、予算委員会などで有権者にアピールしたいという思いが強い。共産党の小池晃書記局長は「45分は短すぎる。十分な討論を保証する改革が必要だ」と提起する。

 もともと党首討論には与野党第1党が「党首力」を競う狙いがあった。しかし、野党が多党化した現状では、野党側の「主役」が見当たらない。6会派がばらばらなら立憲民主党が野党第1党だが、所属議員が民進党籍を持つ無所属の会と、参院会派の民進党が組めば立憲を上回る。

 自民党の森山裕国対委員長は「(制度開始時には)予測していなかった。そこは整理しないといけない」と指摘。与党からは「首相が長時間縛られる予算委より党首討論の方がいい」という本音も漏れる。【村尾哲】

 ◇活性化に努力を

 川人貞史東京大大学院教授(政治学)の話 党首討論は2大政党を目指す制度改正の一環で導入された。諸外国と比べて日本は首相の国会出席時間が長く、与党はさらなる負担になりかねない党首討論を敬遠しがちだ。野党の追及を避けたい思惑も働くだろう。しかし、党首討論には、各党のリーダーが大所高所から国政について議論し、「党首力」を国民に分かりやすく示す重要な役割がある。政党が増えた野党にとって45分は短いかもしれないが、融通し合うなど工夫はできる。与野党は党首討論の活性化に努力すべきだ。

最終更新:12/8(金) 10:17
毎日新聞