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【舛添要一の僭越ですが(28)】 国による税収吸い上げで、都民にツケ

2017/12/7(木) 16:00配信

ニュースソクラ

衆院選惨敗という「宴」の後の都政

 小池劇場に翻弄された衆院選が終わって約1ヶ月半。「まだ」というか「もう」というか、時間の流れ、そして世間の忘却の速さに驚く。

 都知事と国政政党の党首という「二足のわらじ」は無理だと、私は両方を経験した立場から警告してきた。衆院選の結果は、その警告通りになった。自民党が圧勝し、希望の党は「排除」したはずの立憲民主党の後塵を喫し、野党第一党の座すら獲得できなかった。小池都知事は希望の党の代表を辞任し、都政に専念する旨を表明した。

 しかし、小池都知事を待ち受ける課題は多い。

 第一は、国との関係である。安倍政権打倒を掲げて衆院選挙をリードした小池都知事を自民党が容易に許すはずはない。都と国の力関係が、すっかり後者優先になってしまった。とくに、税制がそうである。国は、豊かな東京都から税金を巻き上げて貧しい地方に分配したい。都は「打ち出の小槌」と見なされている。

 そのため、私が都知事になったとき、年間3000億円もの都民の税金が国によって召し上げられ、地方に配分されていた。3年程度の暫定措置として導入された地方法人特別税が7年間も続いていたのである。もちろん、富の偏在を是正し、国土の均衡ある発展を図るためには、何らかの是正措置が必要だという主張も一理ある。

 しかし、都から税金を奪うという安易な方法ではなく、地方分権政策と共に進めていくのが本筋である。国政の場にいたとき、私は、自民党税調にも深く関わっていたので、その縁で宮沢党税調会長をはじめ多くの関係者と何度も議論を重ね、地方法人特別税廃止への道筋をつけたのである。

 ところが、今度は消費税の地方配分分について、基準を変更する案が自民党税調で議論されている。そうなれば、都にとっては約1000億円の減収になる。安倍政権と対立してきた小池都知事には、この問題の解決は無理であろう。大衆迎合主義者に煽られ、自業自得と言ってしまえばそれまでであるが、結局は都民につけが回る。

 第二は、公明党との関係である。小池都知事と五十歩百歩のポピュリストである都議会公明党は、都知事の人気に陰りが見え始めると、手のひらを返すように野党化してしまった。この公明の離脱によって、知事与党は過半数割れだ。12月1日から都議会定例会が始まったが、議席数(定員127、欠員1)は、都民ファーストの会が53、もし公明(23)、自民(22)、民進(5)、かがやけTOKYO(2)が手を組めば52となって拮抗する。さらに、これに共産(18)が加われば、70の過半数に達する。予算案をはじめ、法案が成立しない事態にもなりかねない。

 豊洲新市場移転問題は、現場を無視した入札制度の大衆迎合的な「改革」によって入札不調が続き、来年10月の開場に間に合わない状況である。そうなると築地の改築(2020年五輪用の一時的駐車場にする)や環状2号線開通も遅れてしまい、大会開催に赤信号が灯ることになる。

 都市計画、待機児童対策、2020年五輪準備など課題は山積している。2019年夏には参議院選もある。これからも、都政の混乱は続いていくだろう。

舛添 要一 (国際政治学者)

最終更新:2017/12/7(木) 16:00
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