ここから本文です

ついに最終章!“ガルパン”ことガールズ&パンツァーは、なぜ熱狂を産んだのか?

12/7(木) 19:40配信

dmenu映画

アニメ・ファンはもちろん、ミリタリー・ファンや映画ファンなど幅広い層から熱狂的な支持を受け続ける『ガールズ&パンツァー』シリーズ。12月9日からは待望の最新作『ガールズ&パンツァー最終章』全6部作の第1話が劇場上映されるが、その前にシリーズの魅力をざっとおさらいできればと思う。

戦車道で全国を目指す女子高生たちの物語

そもそも本シリーズは2012年10月から放映された全12話(+総集編2話)のTVシリーズに始まるもので、14年にはOVA『これが本当のアンツィオ戦です!』が、15年には映画『ガールズ&パンツァー劇場版』が公開された。

その内容は、高校の必修選択科目として戦車道を履修した女子たちが、戦車に乗って他校のチームと試合するというもの。一見奇抜ではあるが、要は剣あっての剣道、弓あっての弓道、ならば戦車あっての戦車道があってもいいじゃないかという、そんな世界観の中での物語。つまり本シリーズにおける戦車道とは、あくまでも武道でありスポーツなのだ。

本作のヒロイン西住みほは、西住流戦車道家元の次女で、黒森峰女学園で副隊長を務めていたが、とある事情で戦車道のない大洗女子学園高等学校に転校してきた。

しかしその直後、なぜか同学園でも戦車道が復活することになり、唯一の経験者であるみほは生徒会のゴリ押しで戦車道を履修させられる羽目に。かくして彼女を隊長に、戦車道を履修する少女たちは全国大会優勝を目指し、さまざまな強豪校と試合をしていく……。

当初は戦車と聞いただけでミリタリズム礼賛を危惧する声もあったが、いざ作品を見るとそういった要素は皆無。また、これはあくまでもスポーツなので、不慮の事故でもない限り絶対に人は死なないという設定も嬉しい(戦車内は特殊カーボンでコーティングされているので、乗組員の安全は常に確保されているのだ)。

映画マニアも脱帽な名作映画のオマージュ

さらに、本作の世界観に圧倒的リアリティをもたせているのが、スタッフの戦車に対するこだわりと思い入れの深さだ。

まず、ここに登場する戦車はすべて第2次世界大戦時に各国で用いられたものばかりで、しかもティーガー1などドイツ軍戦車を保有する黒森峰女学園や、イギリス系の聖グロリアーナ女学院、ソ連系のプラウダ高校など、各国の機種が学校別に擁されており(ちなみに大洗女子学園は各国機種混合系)、これによって戦車ファン垂涎の夢の共演が具現化されている。

もちろん各戦車独自の性能などを重視した緻密な描出にも怠りはなく、さらには劇中さりげなく散りばめられた映画的記憶の数々も見逃せない。

TVシリーズ第3話でヒロインらが乗る戦車が吊り橋を渡るシーンがあるが、そのときの画面構図などがウィリアム・フリードキン監督のリメイク版『恐怖の報酬』(1977年)にそっくりなのに、まずぶったまげた(1953年のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督のオリジナル版ではないところがミソ)。

また劇場版のクライマックス、スティーヴン・スピルバーグ監督の『1941』(1979)にならい、遊園地の観覧車が軸を破壊されて大暴走するシーン(名付けて“ミフネ作戦!”)は、リアルタイム世代としてはトリハダものの感動があったのだ。

そのほかにも戦車映画の代名詞ともいえる『バルジ大作戦』(1965年)をはじめ、『レマゲン鉄橋』(1969年)、『戦略大作戦』(1970年)、『八甲田山』(1977々)などの戦争映画群や、『シャイニング』(1980年)などなど、ジャンルを超越した古今東西の名作群へのオマージュが、決してドラマの邪魔になることなく、わかる人にはわかるといった風情で提示され続けていく。これにはツワモノの映画マニアも脱帽!

1/2ページ

最終更新:12/7(木) 19:40
dmenu映画