ここから本文です

【高校野球】「最初はマウンドに立つのが怖かった」 大阪桐蔭新エースを襲う「1」の重圧

2017/12/7(木) 15:09配信

Full-Count

活躍した夏の甲子園から一転、今秋苦しんだ大阪桐蔭の柿木蓮

 遡ること約3か月。夏の甲子園の3回戦・仙台育英戦で甲子園初先発のマウンドに立った柿木蓮は、強い輝きを放っていた。最速147キロをマークした威力あるストレートで打者をねじ伏せる姿に「大阪桐蔭にはこんな2年生もいたのか」と、思った人も多かったはずだ。最後は劇的なサヨナラ負けを喫したが、柿木の残した印象はあまりにも鮮烈だった。

【表】第90回記念選抜高校野球大会「21世紀枠」各都府県推薦校一覧

 エースの証、背番号1をつけて迎えた今秋。秋季大阪大会2回戦・星翔戦で立った先発マウンドには、ボールが上ずり制球に苦しむ柿木の姿があった。

「調子が悪いという訳ではなかったのですが、背番号1をつけて気負いすぎていたかもしれません。1番という番号に負けていたというか……。今まで自分の中の感覚で抑えられていたのに、この秋からはそれが出来なくなっていたんです。力んだら球は抜けるし、力を抜いて投げれば公立高校の打者にでも簡単に(外野に)持っていかれるし……。

 練習が終わってからもシャドウを結構やってはいたんですけれど、特に効果がなくて。最初の頃はマウンドに立つのが怖かったですね。今までにない経験だったので、どうすればいいのか分からなかったんです」

 今夏の大阪大会では背番号16をつけ、エースの徳山壮磨に次ぐ投手としてマウンドに立った。新チーム結成後は、夏の大会で調子が上がらなかった同学年の大型左腕・横川凱が練習試合でたびたび好結果を残し、投打の柱でもある根尾昂とマウンドを分け合っていた。

 一方で、背番号1をつけた柿木が見せるマウンドでの立ち姿は、どこか寂しげだった。試合を重ねるごとに調子を上げていくはずが思うようにいかず、大会日程だけが進んでいった。

感覚取り戻す転機、“11だったらこうも気楽に投げられるのか”

 そんな中、感覚を取り戻すきっかけとなったのが愛媛国体だった。準決勝で、今夏の甲子園で全国制覇を果たした花咲徳栄と対戦。同じ2年生の主砲・野村佑希に抜けたフォークを外野に運ばれたが、好打者の西川愛也(西武2位指名)にはヒットを許さなかった。

「(投手コーチの)石田先生からは“攻める気持ちで投げてみろ”と言われていました。国体は夏までの背番号11だったんですけど、その時にふと考えたのが、“11だったらこうも気楽に投げられるのか”と。1番はゲームを作らないといけない、勝たないといけない、という気持ちが強かったけれど、冷静に考えれば、国体でアドバイスを受けたように緩急をもっと上手く使えば抑えられる。そこから大阪に戻って(決勝の)履正社戦では自分の感覚を少しずつ取り戻せるようになりました」

 大阪大会決勝の履正社戦は2点を失うも、要所を締めて完投勝ち。そして近畿大会・決勝戦では、智弁和歌山を7安打されながらも完封するなど、ポイントとなる試合では期待に応える結果を残した。ようやく自分らしさを見いだせたかと思ったが、先発した神宮大会の準優勝・創成館戦では、3回に連打を浴びるなどして4点を失って降板。ミスも重なって4-7で敗れた。

「近畿大会までの試合はごまかして勝ってきたというか、勝たせてもらった試合もありました。相手のミスにつけ込んで大量得点に繋げられたし、自分たちがミスをしても誰かがカバーできていました。でも、創成館の試合はコーチに試合前に注意されていた通りのミスが出て、負けるべくして負けた試合でした」

1/2ページ

最終更新:2017/12/7(木) 23:00
Full-Count