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【インサイト】金融引き締め後も低金利が生命保険会社の利益を圧迫

12/6(水) 7:01配信

Bloomberg

2017年の米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで明るさが増したとはいえ、18年は投資収益を主な収益源とするほとんどの生命保険会社の利益率に、幾分の下押し圧力がかかるだろう。FRBの見通しとアナリスト推計による新たな利回りに基づけば、利上げによりもたらされる当面の恩恵は、運用利回りの低下ペースが緩慢になる可能性があることのみであろう。

・7-9月期の生命保険業界の運用利回りは過去最低に

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がウオッチする生命保険会社の7-9月(第3四半期)の運用利回りは、中央値で前年同期比22ベーシスポイント(bp)弱低下して4.13%と、過去最低を記録した。利回りが平均を下回る新規投資が含まれていることも低下の一因である。7-9月のリンカーンの債権運用利回り4.73%だったのに対し、新規投資分の利回りは4%だった。また、トーチマークでは債券運用利回り5.64%に対し、新規投資分の利回りは4.4%だった。株式市場の好調が確定利付き債権ポートフォリオへの圧力を見えにくくしているが、18年も引き続き金利が業界の利益創出への逆風となるだろう。

保険業界向け資産運用会社のコニングは、生命保険業界の資産運用利回りは10年から16年にかけて約70~80bp悪化しており、以前の水準に戻るには3~8年を要すると予測している。この悪化幅はBIの見方と一致するが、回復ペースは将来の金利動向によって変わってくるだろう。

・緩やかな利上げで利益率改善余地が限られる

9月発表のFRBの政策金利見通しは、長期金利が平均的なサイクルのピークを下回ることを示唆する。生命保険会社、中でも平均以上の利回りを見込んだ料金設定の商品を有する場合、利益率改善幅は期待外れなものとなるだろう。FRBは、経済のバランスを取るには長期的に2.8%への利上げが必要と想定し、見通しを6月発表の3%から引き下げた。金利は17年の1.4%から19年末に2.7%へと、年率65bpの極めて緩やかな上昇にとどまることになる。

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最終更新:12/6(水) 7:01
Bloomberg