ここから本文です

トランプ米大統領、エルサレムをイスラエルの首都と承認

12/7(木) 11:52配信

BBC News

ドナルド・トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都として正式に認めると発表し、米国の歴代政権が継続してきた政策を転換した。

トランプ大統領は、中東和平プロセスを前進させるための「遅ればせながらの」決定だと述べた。

古代からの長い歴史があるエルサレムの地位は、イスラエルとパレスチナが最も激しく対立する問題の一つ。イスラエルは発表を「歴史的」だと歓迎したが、国際社会からは強く非難する声が出ている。

和平に向けてイスラエルの隣にパレスチナ人の独立国家を樹立するという「2国家共存構想」についてトランプ氏は、双方の合意を前提として米国は依然として支持していると語った。

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、トランプ氏の発表を「嘆かわしい」と呼び、今後米国が和平を仲介することはできないと述べた。

米国の発表を受け、国連安全保障理事会のメンバーのうち8カ国が緊急会合を今週末までに開くよう要請した。

発表の意味

米国は、エルサレムをイスラエルの首都と認めていない国際社会と意見を異にしている。

パレスチナは東エルサレムが将来の独立国家の首都になると主張しており、1993年の「オスロ合意」ではエルサレムの最終的な地位は和平協議の中で決められるとしている。

国際社会はエルサレムに対する主権をイスラエルに認めておらず、これまですべての国が大使館をテルアビブに置いてきた。

エルサレムには世界の主要な一神教のユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地がある。旧市街を含む東エルサレムは1967年の第3次中東戦争(6日戦争)でイスラエルの統治下になった。

トランプ氏による発表

ホワイトハウスで記者会見したトランプ大統領は、「このような行動を取ることが、アメリカ合衆国の利益にとって、またイスラエルとパレスチナ人の間の和平とって最も資すると判断した」と語り、国務省に大使館をテルアビブからエルサレムに移転する指令を出したと述べた。

中東地域を今まで以上に不安定にするという警告にも関わらず、トランプ政権がエルサレムを首都と認めたのは、トランプ氏が大統領選での公約を果たし、右派の支持層をひきつける目的のため。

選挙公約を念頭にトランプ氏は、「私はきょう約束を果たした」と語った。

トランプ氏は、エルサレムをイスラエルの首都として認めるのは「要は現実を追認するに過ぎない」と述べた上で、「正しい行動でもある」と付け加えた。

ユダヤ系米国人の団体、共和党ユダヤ人連合(RJC)はトランプ氏に感謝する広告を米紙ニューヨーク・タイムズに出した。同団体は共和党やトランプ氏の大口献金者シェルドン・アデルソン氏の支援を受けている。

イスラエルとパレスチナの反応

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、歴史的な日だと述べ、イスラエルはトランプ氏に深く感謝していると語った。首相はツイッターに、「エルサレムは3000年にわたって我々の希望、夢、祈りの要だ」と投稿した。

一方、パレスチナ人指導者のアッバス氏は、事前に撮影されたテレビ演説で、エルサレムは「パレスチナ国家の永遠の首都」だと語った。

アッバス氏は先に報道官を通じ、トランプ氏の発表がもたらす「危険な結果」を警告していた。アラブ諸国の首脳たちも同様に、地域に混乱を生じさせる可能性を指摘していた。

米国の発表を前にパレスチナ自治区ガザ地区では、同地区を実効支配するイスラム主義組織ハマスの呼びかけに応じた人々が抗議デモを行った。ハマスに近い地元メディアが報じた。

ハマスは、トランプ氏の発表によって、中東地域での米国施設にとって「地獄が始まる」と述べた。

各国の反応

トランプ氏の方針には、米国の同盟国を含むイスラム世界の諸国が強く反対を表明していた。

サウジアラビアのサルマン国王は5日、「世界中のムスリム(イスラム教徒)に対するあからさまな挑発になる」と語っていた。

抗議デモはガザ地区だけでなく、トルコのイスタンブールにある米国領事館前でも行われた。

国連のアントニオ・グテレス事務総長は、「強い懸念」を示し、「2国家共存構想以外に選択肢はない。代替案はない」と述べた。

このほかの反応


・テリーザ・メイ英首相は、米国の決定には同意できないとし、「地域の平和に貢献しない」と語った。
・フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、フランスは米国の行動を支持しないとした上で、関係者に平静を保つよう求めた。
・欧州連合のフェデリカ・モゲリーニ外交・安全保障上級代表は「深刻な懸念」を表明した。

(英語記事 Jerusalem is Israel's capital, says Donald Trump)

(c) BBC News

最終更新:12/7(木) 11:52
BBC News