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鈴木大地スポーツ庁長官 ライバルはあの時…1964を超えろ!!

2017/12/8(金) 11:01配信

東スポWeb

【東スポ2020現場最前線(8)】日本代表選手はとんがっていい! スポーツ庁の鈴木大地長官(50)が本紙の単独インタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピック成功への熱い胸中を語った。1988年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得。15年に同庁の初代長官に就任すると、昨年「鈴木プラン」(※)と呼ばれる競技力強化方針を発表して注目を集めた。鈴木長官は、選手に激エールを送るとともに、2020年大会の意外な“ライバル”を挙げた。これを読めば東京五輪に向けての未来図が見えてくる。

※鈴木プランとは=2020年東京大会で優れた成績を収めるだけではなく、それを持続可能なものにするための「4年単位、2大会先」を見据えた強化プランのこと。その中にはハイパフォーマンスセンターの機能強化や、女性アスリート支援強化などが掲げられている。有望アスリート発掘も重要課題に位置づけられ、「ジェイ・スター・プロジェクト」が始まった。

 ――東京五輪まであと2年半、今どのような仕事を

 鈴木長官:スポーツ庁では競技力向上に携わっていますが、他にも国民の健康増進から体育の授業やスポーツを通じた地域の活性化、スポーツによる国際交流まで全般的にやっています。

 ――東京五輪に関する仕事の割合は

 鈴木長官:時期にもよりますけど、直接関係する仕事は20~30%程度です。それでも相当な仕事量。我々の事業をいろんな組織に委託しているものもあります。まさに日本のスポーツの司令塔ですね。

 ――長官に就任し、生活やリズムの変化は

 鈴木長官:こんなに真面目に働いたことはない(笑い)。自分なりに精一杯やっております。出張の時はジョギングシューズを持って行き、朝走るんですよ。そうすると地域のスポーツの実態がよく分かる。公園に人が集まってきてラジオ体操をする。いろんな地域でそういったことがあって面白いなと思っています。スポーツにはそういう力もありますね。

 ――昨年「鈴木プラン」を出された目的は

 鈴木長官:今から東京大会後の2021年以降のことを考えながら強化策を考える必要がある、ということが一番のポイント。子供の数が減っていく。しかし、競技力は伸ばしていかないといけないので効率的な強化システムというのを構築していく必要があります。

 ――選手の発掘や競技の転向を図る、通称「ジェイ・スター・プロジェクト」も立ち上げた

 鈴木長官:オリ・パラ合わせて70人程度の選手が第3ステージに上がりました。各競技の専門家が見て「これはいいな」という選手が集まってきてくれた。これから“宝”を磨き上げていく作業になる。

 ――東京五輪で注目している種目は

 鈴木長官:新しく追加になった空手やスポーツクライミング、野球・ソフトも有望ですし、卓球、バドミントンも世界的に活躍されている。また、前回(東京五輪が行われた)64年大会はバレーボールの金メダルで日本が一つになったと思うんですけど、今回もそういう団体競技、ボールゲーム等に快進撃が欲しいなと思いますね。

 ――長官はソウル五輪で金メダルを取られた。今、あのレースを見返すこともあるか

 鈴木長官:自分からはあまりないですけど、意図せず見ることはありますね。五輪の前後とかね。勝利インタビュー? 見てしまう時、ありますね。ちょっと生意気な態度だったかな(笑い)。でも、選手の時はしょうがないのかなと思っています。引退してからもとんがり過ぎていたら、ちょっと問題ですけど、選手の時はとんがって、成績を出すことに主眼を置いていい。五輪やパラリンピックは4年に1回しか来ない。選手には悔いのない戦いをしていただきたいと思います。

 ――東京五輪の前に平昌五輪もある

 鈴木長官:トップを極めようとするといろんなアンテナを立てて感受性をビンビンにしていかないと3年後まで頑張れないと思うんですよね。そういう意味では夏季の選手も、冬季の仲間が戦っているものを栄養にして、自分のパフォーマンス向上に役立ててもらいたいです。

 ――男子ジャンプの葛西紀明は45歳、8回目の五輪出場を目指している

 鈴木長官:すごいですよね。年あまり変わらないんですよ。かたや現役で、かたやスポーツ庁のおっちゃんですから。医科学も発達し、サポートも多少、昔よりあると思いますが、それにしてもやるのは自分。応援しています。

 ――改めて東京大会に期待することは

 鈴木長官:ひと言で言うと「日本さすが」という大会ですね。64年に日本で戦った外国人選手が本当に日本のファンになって、日本に来るたびに喜んでくれるわけですけど、今回、そういう方たちが増えるようにしないといけない。ライバルは64年でしょう。日本は当時16個の金メダルを取り、金メダル獲得率は全体の約10%でした。今は種目が340程度あるじゃないですか。10%というと、34個ぐらい。期待していますよ。

【プロフィル】すずき・だいち 1967年3月10日、千葉県習志野市出身。小学2年生から水泳を始める。84年ロサンゼルス五輪出場。88年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎでバサロ泳法を武器に金メダルを獲得した。25歳で引退。順天堂大教授、日本水泳連盟会長などを経て2015年初代スポーツ庁長官に就任した。

最終更新:2017/12/8(金) 12:20
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