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平和への思い「心に響く」=陛下と面会の元学徒―沖縄

12/8(金) 13:53配信

時事通信

 2019年4月30日の退位が正式に決まった天皇陛下は皇后さまとともに、太平洋戦争末期の地上戦で多くの犠牲者を出した沖縄に強い思いを持ち続けてこられた。

 看護隊として動員され、22人が犠牲となった「白梅学徒隊」の一員で、天皇、皇后両陛下と懇談した元学徒の中山きくさん(89)は「陛下は国民に寄り添われてきた。これからは自分の趣味を生かしながら、体を大事に長生きしてほしい」と語った。

 「大変でしたね」―。12年11月、沖縄県糸満市での面会で天皇陛下はこう語り掛けた。全ての女子学徒を代表するとの思いで面会した中山さん。野戦病院で傷病兵の看護に当たった体験を伝え、今は語り部活動に尽力していると話すと、陛下は「大切なことですよね」と応じた。

 日程の都合で、犠牲者を祭る白梅之塔への訪問はかなわなかったが、面会の最後で両陛下は塔の方角を向き、深々とお辞儀をした。「心に響いた。夢みたい」と、あっという間の10分間を振り返った。

 県民の4人に1人が死亡したとされる苛烈な沖縄戦。皇室へのわだかまりも残る中、両陛下は沖縄に寄り添ってきた。「昭和天皇に対しては複雑な気持ちがある。しかし、天皇陛下には先の大戦への反省の気持ち、平和に対する思いを感じる」と中山さん。「大変でしたね」との短い一言に、そんな陛下の思いを見たという。

 陛下の退位で戦後生まれの皇太子さまが即位する。「陛下のなさっていることはよくご存じだ。平和に対する思いは引き継がれると思う」と、即位後の沖縄訪問に期待を示した。 

最終更新:12/8(金) 13:53
時事通信