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ビール離れに価格上昇で拍車 安売り規制 29年出荷はマイナス公算

12/8(金) 7:55配信

産経新聞

 酒税法の改正で酒の安売り規制が強化されて12月で半年となる中、ビール類の値上がりを受け、スーパーや居酒屋などで販売減少が続いている。アサヒビールが7日発表した11月のビール類の販売数量は前年同月比3%減。割安な酎ハイなどに顧客が流れる“ビール離れ”に拍車がかかっており、ビール大手5社の平成29年の課税出荷数量は、13年連続でマイナスとなる公算が大きい。

 「6月の酒の安売り規制強化で、ビール市場全体が冷え込んだ」

 7日に11月の販売数量を発表したサッポロビールの高島英也社長は業界の現状をこう説明する。サッポロの販売は第3のビールの新商品が寄与して5・5%増だったが、1~11月累計では1・6%減だ。

 業界全体の1~11月累計の販売も「2~3%減少した」(大手ビール幹部)もよう。来年1月に明らかになる業界全体の29年の課税出荷数量は13年連続の前年割れの見込みで、過去最低更新が確実視されている。

 ビール類は一部の店頭で集客のために赤字覚悟で安売りされてきた。だが、規制強化後は、原価を下回るような赤字販売が原則できなくなり、店頭価格は1割程度上昇した。

 データ分析会社のトゥルーデータ(東京都港区)によると、アサヒの「スーパードライ」(350ミリリットル×6缶パック)のスーパーでの平均価格(税別)は11月第4週で1109円と、規制強化前の5月第4週と比べ9%高い。これに駆け込み需要の反動も加わり、販売数量はほぼ半減した。

 規制強化を受けた仕入れ価格の上昇を受け、外食でもビール類の値上げが相次ぐ。中華料理店「日高屋」を展開するハイデイ日高は9月に生ビールを20円値上げし、330円にした。

 また物流費の高騰などもあって、アサヒなど大手ビール各社は来春、居酒屋などで提供するビール類の値上げを決めている。外食業界では「価格に転嫁せざるを得ない」(吉野家ホールディングスの河村泰貴社長)との指摘は多く、ビール販売にはさらなる逆風となりかねない。

最終更新:12/8(金) 8:27
産経新聞